第7話:もう一人の輝美
輝美
「リヴァイアサン様。あの偽者はなんなんです?」
「あそこで引かなくても、私はあいつを簡単に殺せたわ」
リヴァイアサン
「お前が言う偽者については、解らぬがあいつにはエデンの使いが憑いていた」
「我々を楽園から追放した神が、楽園を護るために守護を命じられた使いだ」
「あなどってはならぬ・・・・我々には、セフィラを集めることが最優先だ」
輝美
「はい。わかりました」
「でも、また私達の前にあの偽者が出てきたら」
「殺してもいいんですよね?」
うっすらと笑ったように答えた
リヴァイアサン
「邪魔をするなら殺しても構わん」
その返答を聞いて、私は心の底からゾクゾクするような感覚に襲われた
あの偽者が、私の手で殺せると考えると快感がこみ上げてきた
十年前のあの日・・・・俺は、近所の子達と遊んでいた。
開夢
「隠れんぼしよ~よ」
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「え~私隠れるの下手だからすぐ見つかっちゃう」
開夢
「それなら僕と一緒に隠れればいいよ」
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「はるむちゃん隠れるの誰より上手いもんね」
開夢
「僕と一緒にいこ」
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「うん」
幼かった俺達は鬼に見つからないように隠れた。
他の皆が隠れて鬼に「も~いいよ!」と言う合図で隠れんぼが始まった。
俺達は、駐車場の車の後ろに隠れていた。
大人達には、危ないからと言われていたが止まっている車なら安全だし格好の隠れ場だった。
ジャリっと言う音が近づいてきて、俺達は目を合わせて小さく丸まっていた。
ドキドキしながら、微弱な音が遠くになってゆくのを待った。
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「危なかったね~」
開夢
「びっくりしたね」
「ここも何れ見つかるかもしれないから、次の隠れ場所ちょっと見てくる」
「・・・・ちゃんは、ここで待ってて」
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「うん。わかった。はるむちゃん」
そして、彼女を残し俺は鬼に見つからないように静かに次の隠れ場を探しに行った。
数分後・・・・次の隠れ場所を見つけた俺は、彼女を迎えに行ったんだ。
戻った先には、彼女の笑顔は無く辺りは真っ赤な血で染まった彼女の姿を見た。
相変わらず、その夢を見ているの?
彼女の事・・・・まだ、気に病んでいるの?
一つ教えておくが・・・・お前は、十年前の事を記憶違いしているぞ
開夢
「?」
正確には、お前は彼女の死を見ていないぞ?
開夢
「確かにあの日、俺は見たんだ!彼女の死を・・・・目の前で!」
確かに彼女は、死んだ
でも、お前は彼女の死を後に知ったの
開夢
「そんな事・・・・」
私が言うんだから、間違いはないわ
開夢
「!?」
俺は、夢から目覚めると右手に温かい感触がある事に気づいた。
その手は、優しく俺の手を握っていてくれた。
「また、会えたね・・・・はるむちゃん」
開夢
「輝美ちゃん!?」
俺は、その時やっと彼女の名を思い出した。
そして、気づいた時俺は泣いていた。
輝美
「よしよし」
「てか、はるむちゃん大きくなっても泣き虫だねぇ」
開夢
「輝美ちゃんが・・・・なんでここに!?」
輝美
「それはねぇ~はるむちゃんが、私の事ずっと思ってくれたから・・・・」
「神様がもう一度チャンスをくれたんだよ。きっとね」
開夢
「て、輝美ちゃんは・・・・あの時のままだ・・・・」
「俺は、君にずっと謝りたかったんだ」
俺は泣きながら喋った
彼女は、左右に首を振りながらこう答えた
輝美
「私は、はるむちゃんにずっと謝りたかったの」
「あの時、はるむちゃんに待っててって言ったのに私待てなかったの・・・・」
「ごめんね。私のせいでずっとつらい思いさせてたね」
「ごめんね」
開夢
「ごめん・・・・あの時、一緒に行けば良かったって」
「ずっと後悔してたんだ・・・・もう一度君に会えるなんて思ってなかった」
ケルビム
「開夢・・・・彼女は、君が心の何処かで望んだから今ここに居る」
「そして、彼女は第2のセフィラ・・・・守護天使ラツィエルの持ち主だ」
開夢
「え?」
ケルビム
「彼女の君を想う心がセフィラを産んだのだろう」
輝美
「私は、はるむちゃんの力になるよ」
「さっき寝てる時に、ケルちゃんから話を聞いたの」
「セフィ・・・・なんたらって宝石集めするんでしょ?」
開夢
「でも、俺は・・・・君を危険な目に合わせたくない」
「もう二度と君を失いたくないんだ」
ケルビム
「それでも、セフィラがある限り彼女は何れ辿り着き対峙する運命だ」
開夢
「解ってる・・・・」
輝美
「はるむちゃんに貰った命だもん」
「私は、はるむちゃんの為に一緒に戦うよ」
開夢
「輝美ちゃん・・・・」
突然、現れたもう一人の輝美との再会。
そして、彼女はセフィラの持ち主でもあった。
運命とは、なんと残酷なのだろう
俺は、二度と彼女を一人にしないと心に誓うのであった
コクマー(Cochma、知恵と訳される)第2のセフィラ。
守護天使はラツィエル