第1話:交差する異世界
旧約聖書の創世記(第2章9節)
生命の樹・セフィロトの木とも呼ばれエデンの園・中央に植えられた木。
リヴァイアサンに騙され、アダムとエヴァが禁じられていた知恵の木の実(禁断の果実)を食べた
神は、人と呼ばれる存在が神に近づく事を恐れた
その後、生命の樹の実をも食べ永遠に生きることを恐れ、エデンの園を追放する。
生命の樹を守るため、ヤハウェはエデンの東にケルビムときらめいて回転する炎の剣をおいた
人間は罪と罰を背負ったまま地表で生きる事になる
私は、未来を変えたい
繰り返されるあの日、同じ時間を繰り返し同じ光景を見続けた
あの日、あの場所で起こった結果は覆らなかった
「一緒に居たい」
ただ、その願いの為に私は何度も彼が死ぬ日を永遠と繰り返した
私は、彼の為なら壊れてしまっても構わない
彼は私の全てだったから
私の為に唯一泣いてくれた人だから
だから
助けたいと
守りたいと
心の底からそう願った
覆らないその日が、永遠に続く中彼の死を何度も見て気が狂いそうになるが
諦めたくない・・・・諦めきれない・・・・そんな小さな想いが私の支えになっていた
涙もいつしか枯れ果て、その日を何度も繰り返すものの
彼の「死」は必ず訪れた
彼の居ない世界なんて考えられなかった
私は、この「無限の選択肢」の中から一つを決めなければならない
彼を生存させる手段が見つからずに何度も繰り返している
今日もあの日が繰り返される
私の心が挫けた瞬間この「時間」は進む
涙を流しながら、痛む心を抑えながら、繰り返し繰り返し分岐点を捜す
彼が私の目の前で死ぬ事実を塗変えられるその日まで
二人の時間を取り戻す為
明るい未来の為に
・・・・何を犠牲にしても彼を助ける
白の世界
「いい加減諦めたらどうだ?」
「・・・・私は、貴方と契約はしない!それでも、未来は変えてみせる!」
「やれやれ・・・・困った娘だ。俺と契約すれば【彼は死なない世界】を作れるんだぜ?」
「蛇のアナタに・・・・頼りたくないわ。・・・・気持ち悪い」
「嫌われたものだな。こうやってチャンスすら与えていると言うのに」
「だから、契約はしない!と言ってるでしょ?」
「俺は対価さえ貰えればいいんだがな」
「うるさい!」
蛇の名は、リヴァイアサン。
どういう理由かは、解らないけど・・・・私と契約したいらしい。
私が、コイツと出会った時、私は同じ日を繰り返すようになった。
この「白の世界」を作り出しているのはコイツなのだ
開夢が死んだあの日
病院で息を引き取った開夢と対峙した際、私はこの世界を呪った。
神様なんていない
残酷でしかない
私の中でどす黒い感情に包まれた瞬間
リヴァイアサンによって白い牢獄に閉じ込められた
無限に広がる白い世界
無数にあるドア
今日も新たなドアを開け
開夢を助ける為に進むしかない
ルールをよく覚えておけよ。
この世界は、君が挫けない限り、同じ日同じ時間を何度も繰り返す事が出来る。
しかし、それ相応の対価として1回のリセットでお前の寿命は1日削られる。
それとは別にタイムリミットとして血時計が無くなれば、その時点でも時間は動き出す。
君が挫けた場合、彼の死んだ世界を生きる事になる。
彼を生存させる事ができれば君の勝ち。
もう一つは、俺と契約し彼の生きている世界を作る事だ。
今の君は、1092日の寿命を縮めた事になる。
君の寿命は、後何日残っているんだろうね?
「私は、諦めない!」
「そうかぁ?彼をこのまま楽に死なせる事もできるのにな」
「うるさい!うるさい!」
「まぁ、頑張りな!契約は、いつでもできるから何時でも我が名を呼べよ」
「死んでも言わない!」
そして今日も、新しいドアを開ける
読んでくれた方ありがとうございます~
感想など頂けたら幸いです
文面等拙い部分がありますが、勘弁して下さいw
1話で、主人公の名前すらでないっていうねいつものパターン