プロローグ
この世界は無常で無慈悲で残酷だと私は目の前にいる誰かに向かって言った。
でもそいつは笑いながら言ったんだ
「それなら、違う世界にいけばいいんだよ。僕が連れてってあげるよ!
私に付いておいで」
名前も知らないし顔もよく見えない。
おまけに性別すらもあやふやなのに加え、一人称までもが不安定
だけど、妙に信用できる気がしたんだ。
まったく正体がつかめない奴にそう思えるのはやはり、私が世界に絶望しているからだろうか?
もしくは・・・
無いとは思うがこいつが神様で、私を哀れに思い、こうやって私の前に現れたのか。
いや、無いな。
第一本当に神様なら、真っ先に私に「神様です」とか言うのではないか?
確かに最初に言われたら間違いなく「は?」とは思うが、さっきこいつが言ったことを聞いても
「ああ、それならお願いします」とか返せたかもしれないし他にもっとあったんじゃないか?
それに別の世界ってなんだ?そんな簡単に行けるのか?そんな「これからコンビニ行こうぜ」
みたいなノリだったぞ今の
てゆうかこいつ私が必死になって考えてるのにだんだん飽きてきてやがる。お前が言ったんだろうが
こっちはお前が言ったことの理解とお前の正体についてを必死に考えてんだぞ
あーもーうざったい!!!!
「ねーねー・・・どんな世界が良い?よくこの世界あるあるのRPGみたいな世界にレッツゴー?
それとも逆にザ・宇宙人的なとこがいいかな~?」
だから簡単に言うなよ!!!行くとしたらRPG的なのがいいよ!!何だよザ・宇宙人って!!!
普通に嫌だわ!!!
もうこの際気になってるとこを全部聞いてやる!!
「あのー・・・まずあなたはなんなん・・・でしょうか?
それ・・・に他の世界って・・・・」
なんてこった。頭がごっちゃになって噛み噛みじゃねーかよ
そういえばなぜ私がこの状況になったかと私についてをざっくりと説明しておこうと思う。
まず私には親も親戚もいない。ぶっちゃけ顔も知らないんだ。
私は生まれてすぐに捨てられたんだ。
だから誕生日は不明。性別はいちよう女だ。ちなみにこの性格と口調は
拾ってくれた孤児院には男しかいなかったためである。
また、小学校などもみごとに親がいないってだけで友達無し、さらにいじめの標的である。
まあいじめの標的にはちょうどいいだろうな。私は
そして中学にあがると同時に私の親と言い張る男女が現れてその男女の家に引き取られた。
そして見事に幸せな、夢見た家庭を持つ・・・と言うわけでもなく
なんとその男女は家に着いた瞬間私を殴り始めたではありませんか!
まあ、俗に言うDV家庭に拾われました。しかも本当の親ではなさそうです。
そんなこんなありまして、高校3年の現在。あざと生傷の痛みが耐えないからだを引きずりながら
川のちょうど橋の架かっている場所の真下らへんにうずくまってたわけです。
どう説明すればいいかよくわかりませんが、まあ橋の下です。川の中じゃないよ!
まあその辺は置いといて、うずくまっていたらいきなりこいつに話しかけられたわけです。
「君に写る世界は、どう見える?」
そして冒頭に戻ります。
ぶっちゃけ別の世界っていうのには惹かれるところが多い。まあ行きたいと思うよ
今の学校でもいじめられてるし。え?教師はって?
やだなー教師もクラスメイトたちも私をいじめてる人ですよ~
いじめの内容はこれ以上胸糞な気持ちになるのはごめんなので言いませんがね。
まあ、この人(?)の提案には乗るつもりですよ。この話が本当ならね。
「俺は神様だ。でも、この世界のではない。そして、他の世界っていうのは私が作り出した世界のこと
まあ、リクエストがあるなら特別に認めてあげる。今の僕は機嫌がいいからね!」
「その話が、嘘ってことはないよね?嘘だった場合、私はあなたを一生恨むよ?」
「お、てことはいちよーOKってことと受け取っていいんだね?」
「まあね。リクエストとしてはできるだけ現実味の無い場所がいい。」
「了解!じゃあ今から行く?それとm「今からがいい」・・・わかった。でも、お別れとかはいいの?」
「いいんだよ」
ぶっちゃけお別れするような人もいないし、寂しいとかも思わない。
そしてこの世界みたいなとこはもう見たくないし
現実味の無い世界が私にはちょうどいいかも知れない。
「それじゃあさっそくレッツゴー!!」