僕と弟子の出会い 中編
思い付いて忘れないための借り書きなので多分大幅に修正するともいます
雨が降り注ぐなか僕はゆっくりと子供に歩み寄った。
子供はその気配を察したのか頭の上の真っ白な耳がぴょこりと動き一瞬顔をあげた
そこには、真っ白な髪に真っ白な耳、真っ白な尻尾可愛らしい顔立ちをした女の子が、そしてその下には茶色い耳に茶色い髪、茶色い尻尾をした男の子が横たわっていた。
どうやら彼らは獣人の子供のようだ。
彼女は僕の姿を確認すると直ぐに顔を伏せた、多分僕も先程の男たちと変わらなく見えるのだろう、しかしさっき一瞬見えた男の子は大分状態が悪そうに見えた。
僕は彼女の近くまで歩み寄るとゆっくり話しかけた、
「こんばんは、お嬢さん。もし良ければ僕にその子を見せてくれないかな?」
彼女の反応はない、そりゃそうだ急に現れた訳のわからない輩を信じろって方がとうにかしてるとおもう。だけど下手をすると一刻を争う状況かも知れない。
僕は彼女を強引に引き離すことにした、
さっきの男たちは引き離せなかったのではない、引き離さなかったのだ。自分達が楽しむために・・・わざと
普通に考えれば分かること、大人の力に子供が太刀打ち出来ることは少ない。
その事を考えるとやはり殺しておけば良かったと少し後悔したが今はこの子達の事が最優先だと自分に言い聞かせた。
彼女を引き離し、男の子の状態をみようとした瞬間僕の右腕に痛みが走った。
彼女が僕の腕に噛みついていた、最後の抵抗、そして余程この男の子が大切なのだろう事がわかる。
僕はそっと左手を動かした瞬間彼女の体がビクッっと動いたが、噛むのは辞めなかった。
そのまま動かした左手を彼女の頭の上に置きなでながら「大丈夫だよ、よく頑張ったね。」
そう声をかけると彼女の瞳から一つ、二つ、と大粒の涙が流れだしそして声にならない声で泣き出してしまった。
味方が一人もいないそんな孤独な空間、
いくら殴られ、蹴られても涙一つ見せなかった彼女、
どれだけ辛かったのだろう、誰も助けてくれず一人で、苦しかったはずだ、悲しかったはずだ、そして怖かったはずなのにこの男の子の為に体を張り守った彼女、とても強い子だと思う。そしてそこまで頑張った彼女の為にも助けてあげたかった。
そのまま男の子のそばに寄って見ると息は激しく汗はひっきりなしに出ている、おでこに手を当てるとかなりの高熱が出ているようだった。
僕は荷物の中に置いていた特別なエリクサーを取りだし男の子に飲ませる、すると彼の息は落ち着き汗も引いた、取り敢えずこれで命の別状は無いはずだ。
彼女の方をみると息が落ち着いたのをみたせいかその場にへたりこんでまた泣いてしまっていた。
取り敢えずここで男の子の容態が安定するまでの場所を探さないといけない。
僕は男の子を抱え女の子の手を掴みゆっくりと休める場所を探すことにした。