続、変な男
「僕を雇わない?」
落ち着く声色が降り注ぎふっとリーシャの横に一人の青年が降り立った。
一体何処から現れたのかと聞きたくなるのを堪えて取り敢えず言葉を返す
「・・・あなたばかなの?」
一言目を聞いて青年が笑いながら返す
「ばかって酷いなー、」
何処までのんびりしてるのだろうかと思いつつもリーシャは確認を取るつもりで続ける
「この状況分かってるの?」
青年は子供がえっへん!と言うようなどや顔で
「勿論!当たり前でしょ!鬼ごっこ・・」
「ぢがう!」
「ちがうの!?」
そんなやり取りに追って来ていた男たちがしびれを切らしリーダー格の男が殺ってしまえと手で合図をかけようとした瞬間、後ろの方で「グハッ」とか「グフッ」と言う言葉と共に男たちの仲間の気配が一つ、また一つと消えていった。
男たちは何が起こっているのか分からず警戒する、パニックにならなかったのは流石場馴れしていると称賛するべきかもしれない。
暫くすると男たちの後ろから可愛らしい男の子と女の子の獣人が姿を見せた。
ただし姿とは裏腹に両手には陰でリーシャを狙っていた男たちの仲間を引きずって。
「なんなんだお前らは、」
リーダー格の男が言葉を吐き捨てるように言うが、二人はまるで男が居ないかのように男の子は冷静に女の子は元気いっぱいに青年に話しかけた
「師匠またトラブルですか?」
「ただいまなのー♪」
青年は首を横に降り一言
「二人ともお帰り、けっしてトラブルじゃないよ!今雇い先と交渉してるんだよ!」
男たちがふざけるなといいかけた瞬間男たちの目の前は闇に染まった。