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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

護神《Guard Seeld in Human》

作者: 武闘鬼人


『今日は一日中晴れの日!洗濯物も良く乾きそうな、いい天気です!』




食卓に着くと同時にリモコンに手を伸ばした私は、物心ついたことから見ている局のボタンを自然と押していた。



地デジか何かでボタンの番号が変わってしまったから、最初は戸惑ったものだ。

というか、よく地デジ化できたな。私だったら諦めてる。


朝はご飯派の私は、そこにお弁当を作った残りであろうおかずを乗せて口に運ぶ。



朝つけるのは情報番組だと決めている。

とは言っても、政治だとか国際情勢だとか、そんなことに興味を持つほど堅物な私ではない。


一高校生の私としては、国の動きとかなんか(そういうと怒られそうではあるが)よりも、今日一日の天気の方がはるかに重要なのだ。



傘一本持つ持たないとでは、面倒くささは倍違いだ。



『今日の天気は以上です。では、本日の襲来予測は――――』



ここまでだ。

これ以上みていると、さすがに遅れる。


そうして今日の天気を確認し、カバンを担いで玄関から外へ。

いつもより少し遅れた時間ではあるが、走ればまだ間に合うだろう。


「そうやって間に合っちゃうから、ギリギリまで家にいちゃうんだよねえ」


そんなことを言いながら、軽く走り出す。

たまには優雅に歩いて登校したいものだ。


少し日光が眩しいか。

空を見上げ、掌で目の上を覆う。



と、そんなことをしている場合ではない。

今日は、こうして無事に日常が回り―――――





「ったぁ!?」


ガクン、と。視界が揺れて地面に落ちる。

脚を何かにとられたようだ。


その足元を見ると、自分の物ではない黒い影が、靴の裏に張り付いて離れない。



「ひ・・・ひぃ―――ひぁああああ!!!」


その影は、何かが日光を遮ったものではない。

地面から滲み出たそれは、文字通り地獄からやってきたものだった。



「あ・・・あぁ・・・・た、助け・・・」


靴は脱げたので自由になるが、腰が抜けて立ちあがれない。

そんなことをしていると、周囲の人々が悲鳴を上げて逃げだしていく。



当たり前だ。

だって、私の目の前のその影が浮き上がって、形を得て・・・・真っ黒な人型になったんだから。




角がある。

翼がある。

尻尾がある。

標準装備なのか、三又の槍も持っている。


おおよそ「悪魔」と言って思い浮かぶ、もっともポピュラーなものがそこに現れていた。



と、その悪魔がブクブクともう何体も現れて、一つに融合していった。

私はというと、それを見た瞬間に抜けた腰がはまったのか、立ち上がって逃げ出していた。



そうこうしているうちに、悪魔の大きさは実に十メートルほどにまで巨大化していた。


歩けば地響きを起こし、少しぶつかっただけで家をめちゃくちゃに潰した。




「は、はやく・・・電話、電話しないと・・・・」


なんでいつもと同じように出てくれないのか。

ストラップが引っ掛かって、ポケットからスマホが出てこない。



チラリと、悪魔を見た。

特に暴れるわけではないが、そこにいて歩き回るだけで甚大な被害が出ている。



当たり前だ。

だって人間が蟻の巣の近くで歩き回ったら、たくさん潰してしまうではないか。



甲高い悲鳴と、不恰好に途切れる声。

途切れた声と一緒に、何かが潰れる音もした。


必死になって目を背け、そうすれば聞こえなくなると信じているかのようにスマホを耳に押し当てる。



呼び出し音が鳴った。

命が助かったように思えた。


『もしもし、こちら』


「あ、あのっ!!わ、私の町で――――あくま・・・が・・・・」


《ヴぉぁ――――》


『もしもし?おい、どうしましたか!!』



スマホを握った手が、ダラリと下がる。

塀に隠れていた自分を、悪魔が真上から見下ろしていた。



「あ、あはは・・・・・」


《ヴィいいいいオオオオオオ》


「あっ、あは、あはは・・・あははははは、アハハハハハハハッッ!!!」


思わず笑い声しか出なかった。

そうしないと、死ぬなんてこと、受け止めきれなかった。




ドォンッッ!!!


《ヴぎゃぁ!!》


でも、吹っ飛んだのは悪魔だった。

飛んできた長い棒に吹き飛ばされ、無様に転がって行ったのだ。



その際、大体20くらいの家が潰されて言ったけど、その中には私の家もあったわけだけど、そんなことより自分の命が助かったことの方が嬉しかったし、驚くべきことだった。



そして、私が見上げると、そこには――――



「あ・・・・・」



そこには、天使がいた。

吹き飛んだ悪魔を睨み付ける様に、天使は背中の羽根をはばたかせて上空から降りてくる。



天使は悪魔と戦う者。

悪魔もまた、その逆である。


そして、悪魔が立ち上がり天使が応戦しようと大地に降りて




「あれ?」


ダンッ!ブチュッッ――――――







天使は、足元にいたそれに対して、一切意に介すことなく、降り立った。

ただ、履物が脂と肉で汚れたからプルプルと振って払うだけ。


偶然か、マンションのゴミ捨て場のエリアに、その脂と肉と、そしてそこに引っ掛かっていた、液晶の割れたスマホが落ちる。




そして





天使は悪魔と交戦し、これを撃破した。



結果―――――


124の住宅を含む建物が破壊され

2つの山が吹き飛び


3045人の死者と、約120人の行方不明者と身元不明人、そして58人の負傷者を出した。






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この世界には、神がいる。

古今東西、様々な神話、伝承に綴られていた神々は、確かに我々の住まう世界の「上」に存在していた。




この世界には、悪魔もいる。

古往今来、様々な伝説、民話に至るまで騙られてきた悪魔は、確かに我々の住まう世界の「下」に存在していた。




奴らは戦う宿命にある。


神は悪魔を決して許さず

悪魔は神を落とすことを諦めない



ただ、地上世界はその戦場でしかなかった。

そうとしか、捉えられていなかった。


そこに生きる者のことなど、考慮しない。

戦場で、蟻を踏まないように気を付けて戦う者など存在しない。



だが、人類も指をくわえて被害を拡大させているわけではなかった。



G.S.H.N《Guaard Seeld in HumaN》

ゴシン――と呼ばれるパワードスーツが開発され、適性のある人間が選び出された。



彼等は、護る者たち。

即ち《護神》


外の世界の神には頼らない。

この世界の人間は、自らを守る神を自らの手で作り上げたのだ。





そして、また空と大地の奥底から奴らがやってくる。

彼等は―――その命を懸けて、この世界を守るのである。







未完


前々から構想があったやつの、導入編だけザックリ書きました。


このパワードスーツ「護神」の設定も、どうやってあいつらと戦っていくのかも一応ぼんやりながら考えています。

書けるといいなぁ・・・・


では、この辺で

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― 新着の感想 ―
[良い点] カッコいい [気になる点] 天使、悪魔等、表現の具体的な描写がなく状況をイメージ想像しにくい。何が、どのような物なのかを記載しないと分かりません。天使、と表現しても服装、性別、背格好がない…
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