第伍話【作戦会議】
久々に更新しましたー ギャグがてんこ盛りw
「やぁ、天喰。背が伸びたかい?」
「親父臭いこと言うなよ…」
高価な椅子に座り優雅に足を組みながらにっこりと微笑むのは鳥兜。そんな様子とは対照的に天喰は憂欝だった。目の前の鳥兜に会ったからではなく、さっき起きた出来事にすっかり疲れ切っていたのだ。
此処に来る前―――――――――。
ぐったりとした気分で天喰は車からのっそりと降りた。縄から解かれた体は上手く歩けず数歩歩いた瞬間、膝から崩れ落ちた。
「うぉ!」
「あれ、あまちゃん。大丈夫?立てる?」
播草は側により手を差し出したが、天喰はそれを拒む。立て直し先を歩き出した天喰を見て苦笑した。
しばらく三人は歩き地下の駐車場から、上に行くエレベーターのボタンを嵯峨が押した。
数秒待っていると上の方に表示されている、数字がF2で光ったと同時にチンっと電子音が小さくなった。頑丈な扉が開き中から長い黒髪のスーツ姿の女性が降りて、片手を腹部の臍辺りに沿えお辞儀を目の前の三人にした。
「お待ちしていました。主がお待ちですお乗りになって下さい」
「相変わらず堅苦しいな。後、鳥兜の事を主って」
嵯峨は苦笑いを東雲に向けた。当然のように言う東雲は特に気にせずぶっきらぼうな無表情だった。
「しののは笑った方が似合ってるよ?」
勝手に自分で付けた愛称を言い微笑んで見せる。播草の言葉。いや、勝手に付けられた愛称を言われ眉間に皺よったが、直ぐに[ポーカーフェイス]になった。
「播草、次その変な言葉を述べたら三日三晩肩が重くなりますよ」
「ごめんなさい、三日三晩は流石に辛いや」
謝罪をした播草の言葉と顔が合ってなかった。東雲は変わらない表情をしている播草に一喝したくなったが、咳払いをして消した。
そして、嵯峨と播草の二人の間にいる天喰を見た。二人の間に挟まれている様な錯覚を見た。他人から見れば、家族仲良くドライブですか?と言いたくなる。
天喰はまだ二十歳にはなっていなく、最年少の三上はその一個下。東雲の方が四年多く時を過ごしている。経験が物を言うのは、身をもって感じたことがある。正直、こんな子供で役に立つか?経験不足では無いだろうか?何度も主に言ってみたが『大丈夫だよ、可愛い子程いろんな事をやってみるんだ。その方が良い大人になる』子供の様な無邪気な顔で言うものだから、その場で流された。主が言ったのだから大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせた。
「お久しぶりです。東雲さん」
さん、を付けるのは目上の者に対しているからだ。
「久しぶりね、天喰君。元気そうでなによりだわ」
ふっと微笑んで見せた。何故だか天喰を見ていると、母性が擽られる。その為か天喰や年下の三上には敬語ではなく、母のように接してしまう。この子の素質ではないだろうか。時々、考えてしまう。
「なんだなんだぁ天喰、東雲には敬語か。だったら人生の先輩の俺達にも、さんとかつけろよ」
因縁づけるように嵯峨は顔をぐっと天喰に近づいてきたので、反射的に肩がビクンと上がった。
「あまちゃん、びっくりしたの?」
呑気に天喰を見ながら播草は言う。ち、ちがう!と否定するが、嵯峨と播草はにやにやとしていた。困り果てた天喰は助け舟を出して欲しいそうな目で、東雲をちらっと見た。その様子を感じ取った東雲は手を差し出すように。
「なまはげみたいに、恐くて厳つい顔が近づいたら、今頃子供は大泣きですよ」
そして現在に今に至る。
天喰は帰って気持ちの良いベッドで眠りたい衝動に駆られる。数分前に射延達が到着して、白く丸い大きテーブルを囲んでいる。天喰の右の席に三上,射延と枷の順で座っていた。左の席には嵯峨、播草の順で座っている。鳥兜はテーブルを挟んで天喰の前に座っている。その後ろに東雲が立っていた。
「全員そろったね、皆久しぶりねーお父さん嬉しいよ」
ダンっと物凄い音と共に三上は立ち上がった。皆の視線が三上に行く、鳥兜は目を丸くしていた。
「鳥兜!言わせてもらうけどこっちはね、ウザくて口うるさい依頼主の依頼が終わってやっと家に帰られるはずだったのに射延達に強制に連れて来られた僕の身にもなってよ!そもそもっ」
弾丸を放つように、ガンガン不満を鳥兜にぶつけた。それに見かねた歯止め役の射延は立ち、三上の口を右手で押さえそのまま塞いだ。もがもが唸る三上を射延は自分の椅子に座り、三上を抑えたまま自分の膝に座らせた。子猫がにゃーにゃー威嚇するように射延の手を外そうともがいていた。
「んで、何で三上や枷まで連れてくる必要あるんや?そんでもって天喰も連れてくる必要あったん?」
三上を赤子を宥めるように、押さえつけている射延は鳥兜に言った。
「ああ、それはね。可愛い家族の顔を見たかったんだ。天喰と三上は最近、連絡が取れなかったしね、身長は天喰の方が大きいいね」
陽気に微笑む。射延や天喰が顔を引きつらせていた。三上に言ってはいけない身長のことを、この男はさらりと言い放ったのだ。三上は言葉すら言えなほど全身を震わし、怒りを露わにした。
射延は拙いと思い三上を話そうとした、その時。
いだぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ―――――――――――――と射延の悲鳴が発せられた。
腹いせに三上が口を塞がれていた手に噛みついたからだ。天喰は射延が哀れに思えた。
張本人は賑やかだねぇと愉快そうにその光景を見ていた。射延さんドンマイ、枷はその言葉を側にあったお茶を飲のみ流した。
第伍は終了!六話は明日更新しまーす!感想あったら遠慮なく書いてください