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第弐話【復讐と憾み】

天喰が鬼畜!

多くのビルが並ぶ都心に天喰は来ていた。空を見上げて見ると、雲が青を消し灰色の空が広がっている。太陽は遮られ少し薄暗く、不気味さが引き立たされていた。

…確か、天気予報では雨が降ってから雷が鳴るんだったか。普段着なれないスーツを着ている天喰は目的のビルに着いた。自動ドアを潜りロビーの受付の女性の方に歩き尋ねた。


「すいません、田辺議員を取材しに来た天喰です。議員はどちらに?」

「ぁ、はい!田辺議員は10階の会議室で会議中です」ほんのり頬を赤くした女性は天喰に答えた。

「そうですか、ありがとうございますね」女性に向かって微笑むと天喰は受付の隣にあるエレベーターのボタンを押した。

「あの!まだ、会議中何ですが…」慌てて天喰を呼ぶ女性。天喰は内心、ため息をついたが瞬時に得意の営業スマイルを披露した。

「少し早く待たせてもらっても良いですか?時間が押しているので」笑顔で言うと、女性は納得した様子だった。

エレベーターの扉が開き10階のボタンを押しそのまま乗り扉が閉じた。


1階、2階、と階が進んでいく中、天喰はネクタイを取りスーツの釦を外した。

「かたっ苦しい、スーツは…」ため息をつき愚痴を零した。職業的にも何でも着こなす天喰はスーツだけは、どうも苦手で性に合わない。苦手な奴等を思い出すからだ。金を貰えば何でもする全てが真っ黒いぐらいに汚れている、アイツ等。


まぁ、しょっちゅう会う訳でもないしな。一言で言えばアイツ等は気にくわない。そんな事を淡々と考えている内にエレベータが止まり、扉が開いた。素早くスーツを着直した。どうやら目的の場所に着いたようだ。


議員の人々が次々に会議が終わり会議室を出て行く。1人を残し完全に出て行ったのを見計らい会議室に入った。窓側に立っていた中年の男に天喰は口を開いた。

「こんにちは、田辺議員」

「あぁ、確か取材の天喰君か」

「はい、早速取材をしても宜しいでしょうか?」

「構わないよ。さ、そこに掛けて」正面に向き合うように椅子に座り、天喰は口実の取材を始めた。

















「それでは、最後の質問良いですか?」

「どうぞ」その瞬間、天喰は素に戻った。


「アンタ、数年前に脱税して、仕打ちを受けたらしいな」空気がガラリと変化した。

「な、何だ君…」

その代り様に田辺は困惑した。無理もない。天喰の猫被りは上手い。相手を混乱させる。

「質問してるのは俺だ。田辺、お前は早く答えろ」

「だ、脱税がどうした!そんな物、すぐ解決できた。お前に関係ないだろう!」声を荒げ天喰に抗議した。その反応を面白可笑しく思わせるように天喰は不気味な笑みを浮かべた。

「あぁ、確かに俺には関係ない。この国の法には従わない、従う理由がないからな。ましてや、お前ら議員の脱税なんかどうでもいい」

「だ、だったら…」田辺は言葉を続けようとしたが、言える訳がなかった。天喰の手にはどこからともなく出した縄が持たれ、その縄が田辺の首にいつの間にか、巻かれているからだ。

「なっ、何をする気だ!!」

このままでは何をされるか分からない、恐怖で鳥肌がたった。誰か助けを呼ぼうとしても、誰もいない。更に恐怖が降りたった。

「ある男の記者が首を吊って死んだそうだ。奥さんも腹から血を流して」

天喰は田辺をそのまま引きずり、エレベーターに乗り屋上のボタンを押した。天喰は話を続ける。

「その死んだ両親の息子が、俺に依頼しに来たんだよ。アンタを殺して欲しいと」

その言葉に田辺は自分の耳を疑いたかった。


この男、殺す…だと!ふざけているのか!!

エレベーターが止まり扉が開いた、まるで死を誘っているように。早く来いとでも言っているような。

ずるずると田辺を遠慮なく引きずる。力を天喰は緩めない。エレベータから降りて屋上の中心まで田辺を引きずった。

田辺は慈悲を言う。大の大人が惨めに。それとは裏腹に天喰は着々と準備を進めていた。


「さぁ、準備が終わった」満足そうに天喰は言う。その光景は死刑台そのものだった。屋上の先に、大人が力を入れれば簡単に折れてしまいそうなガラス性の棒が付けられていた。問答無用に田辺の首に巻きつけた縄を引っ張り、そのガラス性の棒に巻きつけた。

「や、止めてくれ……た、頼む!!」

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないシニタクナイ!!!!そのまま、田辺の身体を蹴った。一瞬、ぶら下がったがガラス性の棒が折れ、重力に引かれ田辺は落ちた。その叫び声を聞きながら天喰は笑った。


「これで、償えたらいいなぁ?田辺」屋上を後にし、エレベーター乗りロビーに着き、早くこの場を去ろうとした。が、










「天喰か、久しぶりだな」

後ろから聞きなれた低い声がした。空耳だと思いたがったが、現実を突き付けられた。後ろを振り向いたら案の定。

「あ、久しぶり~あまちゃん」笑顔で名前を呼ぶ癖っ毛と短髪で目つきの悪い二人の体格の良い中年男が、ロビーのソファーに優雅に座っていた。

「あー、嵯峨さが播草まくさ久しぶり」天喰の手には嫌な汗が出ていた。


「縛ってやろうか、なぁーに、痛くしてやるから心配するな」

ニヤっと笑う嵯峨。


「あまちゃんも、嵯峨に調教してもらおう。目覚めるよ~」



「マゾに目覚めてたまるか!!」


嵯峨と播草のドSとドMが健在だった。










はい、弐話終了!!新しいキャラでてきました!嵯峨と播草の詳細は次回分かります!天喰はマゾに目覚めてしまうのか…!?こうご期待ww

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