表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/15

余裕


 大学四回生のNは、卒業論文を手に事務室へと駆けていた。汗を垂らしている。というのも、締め切りまであと二十分しかないのだ。


**


 光素(エーテル)除外(オミット)された空間(エリア)では、暗闇(ダークネス)という概念(コンセプト)さえ通用(カレント)しない。一対(ワンペア)(カオス)拡散(ディヒゥーズ)した。宇宙(ユニバース)のように拡大(スプレッド)してゆく。



 Nは事務室の窓口にようやく到着した。残り十五分であった。「す、すいません!」


**


 超光速粒子(タキオン)飛び交う(コンプリケイティド)虚数(アイ)(インサイド)で。分子(モーリキュオ)(マイナス)揺れ動き(オーシレイション)によって絶対零度(ゼロケルビン)下回(アンダーエクシード)温度(テンパラチャー)(ディプロップ)じていた。もうすぐ(インァミニット)だ。



「あのね、きみねぇ」当然のことながらNは職員に叱られた。くどくどと説教を聞かされる。


**


 Sは能源(エネルギー)物質(マテリアル)変換(コンバート)した。対極(アウトペア)(カオス)圧縮(コンプレス)する。次元(ダイメンショナル)飛行(フライト)した。



「きみは人生をなんだと思っているんだ」締め切り時間になった。「あ、あの、時間……」


**


 超光速粒子(タキオン)では時間遡行(アップァタイム)できない。しかし複素数(コンプレックス)両面(ビーメン)(プリペアー)えている。それ(イッツ)用いる(ユーズド)



 Sの行動によりNの周辺の時間が逆戻りした。締め切りまでの猶予を獲得することができたのだ!

 卒業論文が白紙へと退行した。

作者註)筒井康隆のオマージュです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ