能力体験
「瀕死の重体になる事だが、これは俺も経験している。
嫌な思い出だ。意識が薄い中で頭の中にイメージが湧いてきた。
起き上がった後、頭の中に出てきたイメージを言葉に出すと不思議と力が湧いてきた。
俺の場合、かなり勘が良かったらしくすぐ使えたが、使えるのに時間がかかるやつもいる。」
「俺の場合はあんまりよく分かんねえな。イメージは覚えているが言葉にできねえ」
「そういう奴は多い。ただ、皆イメージできないと言っているが、
オリジンは今まで自分にあったもの、特徴が能力に昇華しただけにすぎない。
俺の場合は他人から見てかなり切り替えが早い方だったらしくてな。
何事に対しても・・・。
怒られても別のことになるとすぐ気持ちを変えられるし、
愛犬が亡くなった時だって泣いてる家族を慰めようと思うと、
悲しさからなんとかしなきゃって気持ちが強くなって気持ちが切り替わっちまう。
自分では当たり前のことだったんだが、周りからは浮いた存在だったみたいでな。
だんだん周りが俺のことを遠ざけるようになっちまってたよ・・・。
っといかんいかん。脱線しすぎたな!」
そう言って語る隊長は寂しそうに見えた。
自分にも似た部分があるような気がして聞き入ってしまっていた。
その後、すぐ切り替わったのか、真面目な顔になる。
「そんなこんながあって今がある訳だが、『言葉』が重要なトリガーになる事が多い。
言葉に出さなくても能力は出せるが、出力に差が出るからな。」
「結局あんたはどんな能力持ってるんだ?」
「それじゃあ、体験してみるか。」
そういうと隊長が近づいてくる。
「それじゃあちょっと触れるぞ」
すぐ目の前に来た後に、手を伸ばして肩に手を置く。
ほのかに暖かい大きな手が肩に触れ、少し緊張してしまう。
『スイッチ・オン』
その言葉を放たれた次の瞬間、体の奥底からエネルギーが溢れ出てきたような感覚がした。
体全体の血管に神経が行き渡ったような感覚。
脳が活性化し、なんでもできそうな全能感。
ふと体を動かしたくなり、椅子から立ち上がると視界がやけに広く感じる。
その場からスタートダッシュを切って部屋の端までダッシュすると・・・
早すぎたのかコントロールができず、顔から壁に激突。
感覚が研ぎ澄まされているのか強烈な痛みが顔を襲い涙が出てくる。
「やっぱ君面白いかも・・ププ。」
痛すぎて言葉が出ない。
痛みになんとか耐えながらも隊長を睨む。
してやられた勘があったので、思い切り隊長へ襲いかかる。
特に何も考えず、右拳を握り込み、思い切り殴りかかる。
「くそっっ!」
「甘い。」
思いのほかあっさり止められた。
その瞬間、あの全能感がなくなる。
何もなかったかのように普段通りの状態に戻る。
隊長の顔はやけにスッキリした顔に見えた。
「はい終わり。こういうことだ。
あれ以上続けていたら体が悲鳴をあげて全身動けなくなるので、触れた時に解除しておいた。」
「くそっ!一発も当てれずにかよ・・・」
吐き捨てるように言葉を投げた。
喧嘩では誰にも負けない自信があったが、
初めて喧嘩で大負けした頃の未熟さを思い出す。
「体験してわかったように、能力があっても発動することと、
使いこなさないと意味がないっていうことは理解してほしい。」
そう言いながら先ほどの席に座るように指示してくる。
隊長も元いた場所に戻り、話の続きを始めるようだ。
「本来決めていた説明の順番がごっちゃになってしまったが・・・・次は我々防衛隊の・・」
そう話をしていた最中、施設全体にサイレンがなる。
『緊急!緊急!アマテラス基地より300km先から敵勢反応!!惑星外より侵略者!
現在基地内にいる防衛隊隊員に出動命令!!
規模は「メガ」!小規模隊です!出撃準備をお願いします!!』
「こりゃまずい。愁くんついて来い!我々の活躍を見せてやろう」
世界共通用語にする敵戦力の規模については、
「ヘクト(単独に近い規模)」「メガ」「テラ」「ゼタ」「ロナ」「マキア(世界中で必死に守れ)」に分類予定。
変更するかもしれませんが、一番ヤバいのが「マキア」にしようかと思ってます。
ギリシャ神話のティタノマキアから取ってます。
なんかかっこいいかと思って・・・




