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エピローグ


警察の捜査は打ち切られた。

被害者も加害者も、証明できる証拠は見つからなかった。

ただ、“二人分の記録”がひとつの部屋から見つかり、

その筆跡も、声も、姿も――すべてが一致していた。


まるで、最初から“ひとりの人間”しかいなかったように。


誰が消えたのか。誰が生き残ったのか。

もはや、それを問う意味はない。


ひとつだけ、記録に残ったものがある。


名前のない遺書。


それは、語る者を持たぬまま、今も、机の奥にしまわれている。


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