どうしてこうなった
キャラの名前は某超有名漫画の登場人物のパロディーだけど、話の内容は完全無欠に無関係です。
タイトル変更しました
「マリアン、いや、トーワネット公爵令嬢、お前との婚約は破棄だ。俺はオスカー男爵令嬢たるこのルーと結婚する」
第一王子であるところのノレイ殿下は高らかに宣言した。こいつバカだろう。そう思った私はたった今婚約破棄を言い渡された公爵令嬢、ではなく新たな結婚相手として紹介されはオスカー男爵令嬢であるところのルーの方である。
「ノレイ王子、貴方頭が悪いのですか、それとも馬鹿でなのすか」
トーワネット公爵令嬢様、言っちゃいましたよ。はっきりと
私と同じことを思ったようです。普通の神経を持っていればきっと同じことを思ったことでしょう。
「なぜわざわざそんなことを。その娘をお気に召したなら、側室なり愛寵なりに召し上げれば良いのですよ」
そうなのよ。別に権力が欲しいわけじゃないの。王宮に入り込んで無責任に贅沢な暮らしができれば良いだけなのよ。そのために色仕掛けはしたけど。ころっと引っかかった時点でおバカさんだと思ったのよね。実のとこと
「別に貴方に愛情を感じて結婚したいわけじゃないから、女を連れ込もうがその女に子供を産ませようが気にいたしませんわ」
ですよねー。王族貴族の結婚なんて政略結婚が当たり前ですから。
「そもそも国王陛下がお決めになった婚姻を身勝手に覆してただで済むとお思いですの」
そうなのです。王族や上級貴族なんて多くの思惑が絡み合って当人の意思で覆そうとすれば、問題多発になるのは目に見えてます。
「仮に問題にならなかったとしても、すんなり正妻に迎え入れることができるとでも思いますの?まず第一に順調に行けば将来国王となるであろう第一王子の正妻になるには男爵家では格が足りないから伯爵なり侯爵なりの養女になってそこから、嫁入りという手順が必要だけれど、公爵令嬢を押しのけるような下位貴族を養子に迎えてくれる上位貴族そう簡単に見つかりまして?」
まあ、無理でしょうね。公爵家に喧嘩売りたい貴族は少ないでしょうから。
「その上オスカー男爵家の寄り親であるアドレー伯爵家は我がトーワネット公爵家の元寄り子でもありますのよ。」
やば、そこまでは知らなかった。ノレイ殿下のこと笑っているところじゃないわ
「それに、その娘はお后教育なんて受けていませんから、結婚する前に一から教育を受けなくてはなりませんよ。今から始めるのですから修了までに行き遅れの年齢にならなきゃ良いですけどね」
いまさらそんな教育受けたくないわー。それに行き遅れになるのも嫌
ここまで「あー」とか「うー」とか唸るばかりで全く言い返せない頼りなさすぎるノレイ殿下にはさっさと見切りをつけてトーワネット公爵令嬢に乗り換えるべきね。うまくいくかわからないけれどこのまま泥舟にくっついているよりはマシのはず。
「マリアン・トーワネット公爵令嬢様、お助けください。私殿下の婚姻なんて考えてません。あの夜も殿下に無理やり押し倒されて・・・・」
公爵令嬢に駆け寄りました。我ながら大根で嫌になりますが
「まぁ、可哀想なルー。大丈夫よ、私が守ってあげるから」
まるで既知の間柄であるかのように仰っしゃる公爵令嬢。こちらは自然な演技
「おバカさんに見切りをつけたのね。賢明だわ」
私にだけ聞こえる声で囁くとにやりと笑う。もしかして選択誤った?でも後戻りはできないわよね
「おま・・・・(あわあわ)」
私の裏切りに反論しようとするもできないで、あわあわするばかりのノレイ殿下。ますます頼りない。
見切りをつけて良かった・・・・のだろうか?
「それで、ルー。国王陛下の愛寵と宰相閣下の妾のどっちが良い?」
あーなんかこの御令嬢わたしをお偉いさんに売り渡す気満々じゃね?お二方とも結構なご高齢だったわよね
「せめてもう少しお若い方のほうが」
恐る恐る訪ねてみると
「あら、老い先短たい方のほうが、次に紹介するときに高く売れますことよ」
わー、言っちゃったよ。この女(もう令嬢とか様とか言いたくないです)売り物宣言しちゃったよ
「どちらのほうが贅沢できますか」
ヤケクソで質問してみる。どうしてこうなった