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俺は猫とメンヘラがキライだ。  作者: 反射的な司馬懿
緩やかな修羅場

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友隆の困難8

……ピンポーン


ピンポーン



「……」



 ……なんだよ、あーもう昼過ぎかよ。



ピンポーン



 ちょっと寝過ぎたかな。


 キャットタワーの組み立てが結構効いた。


 ……シャノと楽しんじゃったもんな。



ピンポーン



 あ、やべぇ


 今日椚先輩来るんだった。



ピンポーン……


ピン、ピン、ピンポーン



 急足でそのままドアを開けると、やっぱこの人。


 外の光が眩しい……逆光で輝いて見えるよ、この人。



「お前な、誰が家に来いって言ったんだよ」



「ふんまへん……」



 寝ぼけ眼、あくびまじりに椚先輩を家へと招き入れた。



 見ると両手一杯に袋を抱えている。



「何買ってきたんですか……」



「ネギトロ……まぁ、色々な」



「はぁ、ピザとか取りましたけど」



「こっちはビールな」



「……すみません、多少は買っておきましたけど」



「冷蔵庫入れるもん入れとくかんな」



 なんか、俺忘れてるよな……



「……あれ、」



「ん?」



「シャノ?」



 そうだよ、シャノはどこだ?いつもなら、いの一番俺の足に纏わりついてくるはずなのに。



「あ、猫いるんだっけ、猫にはなんも買ってきてねぇわ」



「シャノ?シャノ?」



 俺が部屋を出ると、すぐに鳴き出すはずなのに姿も見当たらない。


 眠気眼がすぐに消えて、俺は所在を確かめた。



「あっいたいた!」



 先に見つけたのは椚先輩だった。


 声の元を見ると、台所の隅に蹲っているシャノの姿。



「どうしたんだよ、お前ー」



 俺が慌てて手を差し伸べるとシャーと口を真横に開いて威嚇してくる。


 俺はつい椚先輩をキッと睨んでしまった。



「なんだよ、人見知りなんか?そいつ」



「大丈夫だぞ。ごめんな、」



「……」



「飯にしような、腹減ってるよな?」



 俺が戸棚を開けると現金に、相変わらずの声を上げながら擦り寄って来る。


 その様子にホッとして、餌をそそいでやるといつも通りに食べてくれた。


 椚先輩はそっちのけだ。


 ささっと水を組み替えて、トイレの掃除までする。


 椚先輩は椚先輩で、特に気にも留めていないようで、俺ん家の設備を使い、なにやらやっている。



「コーヒーどこだっけ」



「上の戸棚」



「コーヒー飲む?」



「はい」



 つーか聞く前に準備してんじゃん……。



「あ、俺この紅茶のみたい」



「あー、それ、開けても飲みきれないんで……持って帰ってくれんるなら……」



「ホットケーキ焼こうかな」



「そんなもん有りませんけど」



「粉買ってきた」



「そう……」



「お前食う?」



「ちっちゃいやつ、2枚目のやつ」



「なにいい焼け具合のねらってんだよ、」



「バター冷凍庫にあるんで」



「それは自分でつけろよ」



「……なんだよ、寝足りねーのか?」



「いや、既に一仕事終えたんで……」



 椚先輩は呆れた顔をしつつもソファーに横になる俺にドリップし終えてない状態でコーヒーを出してきた。



「その猫、高かったろ」



「……は?」



「エキゾチックだよな、結構人気あるやつ」



「愛が貰ってきたんですよ」



「へー買ったら高いぞ、20万はするんじゃね」



「これが??」



 横になっている俺の上に乗っかってきたシャノを触りつつ、つい正直な感想を口にしてしまう。



「……」



「猫詳しいんすね」



「いや。お前が知らなすぎだって」


「可愛いよな、たまに動画見るけど」



「まじか」



エキゾチック……そうなんだ……。



「ちょっとアレな雑種かと思ってたわ」



 椚先輩が、検索した画像を横から差し出して来た。


 ーーおお、シャノみたいなのいっぱいじゃん!


 スマホを奪い取って、スワイプしまくる俺。



「はは、お前すげえな」



 冷やかされている気がして、視線で俺はどういうことだと返事をする。



「何にも知らねーで、随分ちゃんと世話してんのな」



「……別に」



 な、シャノお前だって生きてるんだから。


 世話ぐらいするよ、こんなに可愛いし。



「なんか、鍋蓋割れてんだけど」



「あー……まぁ使えるし」



「……そうだな」



 台所から聞こえてくる料理の音。


 変な癒しを感じるな。


 音を出してるヤローの事を考えなければ。



 シャノが俺の上で、鼻をヒクヒクとさせて、ぴょんと降りていった。


 ホットケーキの甘い香りが漂って来てる。



 ア……アォ〜



「何だよ、ホットケーキ食うか?」



 俺はその声にパッと起き上がり、椚先輩を睨みつけた。



「やめてください、あとシャノ踏んだらアンタの足にダンベル落とします」



「……コワスギw」



 俺はシャノが後ろでコイツに纏わりついている事を想像して腹が立った。



「コワイパパだねぇ〜シャノピ」



 結構腹立つな、こう冷やかされると。


 

「……パパってなんすか」



「猫からしたら、お前もでっけぇ猫で親猫だと思ってるって事だよ」



「……想像力が豊かですね」



「いや、動物ってそういんもんだよ」



「……へー」


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