表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は猫とメンヘラがキライだ。  作者: 反射的な司馬懿
緩やかな修羅場

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/127

友隆の困難1

 椚先輩と愛の事。


 うぜーし、だりーし、何だってんだ。


 もう関係ないだろ、関係ない事。


 そう思おうと考えるから、どんどん頭から離れなくなっていく。


 けれど、椚先輩はそういう人じゃない。そう信じてる。信じきれないのは俺の心が浅ましいのか?どうなんだよ?おい、俺はそんな弱い人間なのか?


 自問自答を繰り返す。


 こう言う時に感情的に考えちゃいけないんだ。


 それも誠さんが教えてくれたこと。


 俺、喧嘩っ早いとこあって、すぐ感情的になってたんだ。


 そんな俺に誠さんは言った。



『まず、事実を確認しろ』



『気持ちは横に置いとけ』



 あと、何だっけ……思い出したい。


 こんな風になる事ずっとなかったもんな。


 誠さんが俺に言った事。


 目をつむり、考える、考えろ、思い出せ。



『事実と置いた気持ちが合ってたら殴ってもいい』



 ん、そうかな、そんな感じ……。



「……ばっか。殴ってもいい訳ねぇじゃん」



 要約すると『冷静に』ってことだろ。


 俺がそう考えられると信じて『殴ってもいい』なんて言ったんだ。


 お前らガキにはわかんねぇだろ、このありがたいお言葉が。


 俺は大学の友人達を思い出してこんな事を思った。



「あー!!嫌だっ!!俺あんな下品な先輩嫌いだって!!なのに超慕ってんじゃん!!」



「……」



 思い起こせ、誠さんとの日々……俺にとって大事な存在だったはずなんだ。


 憎みそうだ、どうして思い込んでその感情が湧き起こってくる?


 いいか、誠さんは今まで俺を裏切った事なんて一度もない。


 ケーハクで、ショーモナイ人だけど。


 ……。


 …………。





 「愛が相談したんだろ」



 俺は、途端に視力が良くなったような、ぼんやりとしていた目の前の光景が鮮明に見えるようになった。


 この考えに行き着いた途端だ。


 そうだろ、なんならそれ以外になにがあるんだってんだよ。



「あ、もう良いか?」



 俺は膝に乗っていた猫を、揉んでいたのだ。


 

 ァ……



「猫はニャァだろ、何でお前はア、とかウ、とか泣くんだ?」



 俺の膝からピョンと飛び降りたと思ったら、今度はその場にバタリと倒れて俺の足に頭が乗っかる。


 すっと足を横に移動させ、頭を落として様子を伺っていると今度は手が伸びてきた。



「いてぇ!!」


 

 シャノは俺の足首に爪をたてて、靴下に爪が引っかかった。


 そのまま気にも留めていない様子だったが、俺はその爪をそっと外す。



「爪か……」



 何となく知っている、猫の爪は切らないといけないんだって事。


 分からない、どうやって切るのかさっぱりだ。

 こういうのって獣医さんにお願いしてもいいのか?


 俺はわしゃわしゃと頭を掻いて、万能辞典のスマホで検索をかけた。



「後ろから抱える」



「肉球を押す」



「??」



「肉球を押す??」




肉球

押し方




「????」



 ダメだ、意味がわからねぇ。


 今日はちょっと置いとこう。考え事の後に考え事は難しいんだよな。

 

 シャノ、悪いな。


 今は俺は俺の事で目一杯なんだよ。


 毎日お前にやってやれる事、やらなきゃいけない事はやっているつもりなんだよ。


 よく知れば、お前のことちゃんと飼えるかもしれない。


 

「…………」



ァ……マァ……



「なんだよ」



 目が合うと、声を出すんだ。

 俺に何かを言っている。


 

 ク……ァ、ア



 俺はフ、と笑いが漏れる。


 一緒にいてやりたい、こいつが俺を嫌わないならってぐらいの事だが。

.



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ