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俺は猫とメンヘラがキライだ。  作者: 反射的な司馬懿
新たな生活

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今日はおやすみ

「そんじゃ、俺寝るからな」



 猫はソファーの上でそっぽを向いている。

 正直電気を消していいのかも分からない。


 初日はソファーで寝落ちで気付かなかったが、寝る時にも、ここに残して大丈夫かという考えが湧いてきた。


 しかし、そんな事を気にしていては平日は毎日、人がいない環境なんだ。


 だからこその準備をしたのだから、これに不安を感じるならば準備不足だろう。


 とはいえ、ネットで調べた安全策はケージに入れる事。俺の家にそれがないのだから、この猫は普段縦横無尽にここで過ごしていたはずなのだ。


 今更そんなものを買って、中に閉じ込めるのは俺ですら可哀想だと思った。


 猫の安全が担保されるのなら安いものかもしれない。


 けれど、そうしないと決めたのだから俺はそうするしかない。



 家を改めて確認しても、リビングと台所の空間で収納に入ってないものはテーブル、ソファー、冷蔵庫、電子レンジ、倒れた本棚に、ポット。


 台所に調味料を見つけたので、これもしまう。


 カーテンレールにかかった洗濯ピンチ。


 調理器具や、食器も数個置いてあるが、何か危険を感じるような事もない。


 ゴミ箱は外に出したし……俺は改めて隅々を点検し始めた。


 収納スツールもドライヤーとか……あー、まぁ、そんなような物しか入っていない。



 簡単に開くが、食べちゃったりする?


 そんな事考えたらテーブルの上のカレンダーまで食いそうじゃん。


 俺は初日の失敗がトラウマになってか、猫は何でも食べると考えるようになっていた。



 コイツの敵……リモコンは、テーブル下のハンモックのような場所が定位置だ。


 いつか壊されそうで、俺は既にリモコンのアプリをとっている。


 なら排除しても構わないが、割とその戦いは面白いので取り敢えず取っておこう。



 あまりごちゃごちゃした物がないのは、俺が越してきた時に、以前のアパートのワンルームが今の俺の部屋にそのまま収まったからだ。


 彼女が来るまでも台所を使うぐらいで、もともとリビングには何も無い空間だった。


 そして彼女は荷物が殆どない状態だった為、そこに猫一匹増えたくらいで……



 別に邪魔にもならないんだよ。


 ペットって娯楽だろ……それを持っても平気な環境なんだ。



 ペット禁止のマンションと言っても、ここ、俺ん家だしな。



 持ち主に迷惑をかける事もないし、町会で争ってる内容は散歩の時の糞やオシッコの話なんだよ。


 彼女が言っていた「ダイジョブ、ダイジョブ」を流してそのまま受け入れた理由もそこに有る。


 ただ、突然の事について出た言葉というか、前提があったからひっそりと飼ってほしいとか、そう言う気持ちで話したんだと思う。



 そんな事、俺には関係ないと思ってたんだがな。


 

 俺は室内の点検と共に床にところどころ落ちている猫の毛を拾い始めていた。


 このマンションは元々ペット可だったらしい。


 けれどもそう言った問題が変遷していって、糾弾された動物がいた。


 その動物を飼っている人の言い分は、糞尿の原因は野良猫であると。


 そこから何が混ざってか、この動物が駄目なら猫も駄目だと、膠着状態……。


 厳密に言うと猫は禁止されていない。


 元々飼っていた人は、今更手放す事なんて出来ないのだから結局そのままなんだよ。


 すれ違いざまに動物を抱いたご近所さんに会うのもザラだ。


 この話は母ちゃんが墓に入る前の話だから、何年経ったかな……母ちゃん電話越しでいつもこの話してたっけ。



 俺は手元で猫の毛を弄んでいると、猫がこつりと頭をぶつけてきた。



「なんだよ、お前のせいでいらん事も思い出したろ」



 猫はフンフンと自分の毛に興味を示している。



「お前んだよ、植毛するか?」



 イタズラ心から俺はその毛を猫の背中にくっつけた。


 当たり前だが、ポロリとその毛はまた落ちて、それを拾って俺は立ち上がる。


 猫は俺を見上げて、鳴き声をあげた。



「……わからねぇな、腹減ったんか?」



 夜は俺がカップ麺を食べるのと一緒に、餌はやった。こいつが何を欲しているのか分からない。



「もうホントに寝るからよ、俺今日は眠いんだよ」



 その場を後にしようとする俺の足に猫はまとわりつき、喉を鳴らしているようだった。

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