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魔法騎士団入団式

お待たせしてしまい申し訳ありません。

これから入団式ね。

とワクワクしながら、私の仲間となる同僚がどんな人なのか考えてみる。


私と同じ魔法騎士団の入学生はどんな人かしら?

可愛らしい小動物系の女の子?

美人で、しっかりした女性?

それとも頭脳派で優しい男性?

もしかしたら体育会系で頼れる兄貴肌の男性かしら?


そんな風にお互い支え合う関係になるだろう同僚を想像していた。

どうやら、魔法師団員全員が集まり、並び終えたようで、騎士団長の声が耳に入ってくる。


「合格者、前へ」


そう言われて,私は、魔法師団長に言われた位置から一歩ほど前に出る。


すると、少し離れたところの右側から同じように前に出てきた人がいた。


キョロキョロするのはよくないから、ちらっと見た情報では、赤髪に筋肉質の男性だった。

あの体型の人は。きっと、頼れる兄貴肌の人よね。とワクワクしていたのだけれど、どうも赤髪というのに引っ掛かりを覚えた。

まさかよね。と思ったけれど、体格が明らかに違ったので気にしないことにした。


改めて、前を向き直すと、魔法師団長が団員に向かって発表する。


「新たな仲間を紹介しよう。前騎士団長で新たに魔法師団に入団するダグディス・ギリアードとマルティーナ・アクランドだ」


「え、えぇーー!ダグ……でぃす!?」


私は思わずその名前に反応してしまったが、急いで履いて我に返り、言うべき言葉を紡ぐ。


「よろしくお願いします」


どうにかこうにか対応できたようだったか、それは間違いだった。


「き、騎士団長だ」


「何故、騎士団長が魔法騎士団へ?」


「あの隣の女の子は騎士団長を呼び捨てにしたわよ。実はあの子は皇女様だったりするんじゃない?」


そんなこんな言葉が飛び交う。

そして、それにもっと追い撃ちをかけにきた人がいる。


「あぁ。俺は騎士団長だったダグディスだ。しかし、今日で騎士団長は辞し、魔法騎士団に入団した。その理由は、隣のお方が我が帝国にとって素晴らしい才能を持つ方なので守るためというのと、俺の魔法を鍛えるためだ。よろしく頼む」


彼の声色から少し私をからかっている雰囲気を感じたけれど、もちろんそれは他の騎士達には伝わらない。


「「「はい」」」


だいたい10人ほどの魔法騎士団が一斉に元気よく声を揃えた。


そして、私への視線は、訝しむような視線や、キラキラし視線で見てくる人、期待した目で見てくる人、値踏みするような視線を向ける人のように様々であった。


今後どうなるのかしら?と少し不安に思っていると、魔法騎士団長が改めて声を張り上げた。


「俺は魔法騎士団長のウィリアム・ハウバーだ。よろしく。これで入団式を終了するので、各々親睦を深めてほしい」


は、ハウバーですって?!

今回は声に出さなかったけれど、ハウバーといえば表には出てこないこの国の三大公爵の1つで魔法に優れた一家であった。


そんな騎士団長に闇魔法を隠すのは、バレるのではないかしら?と少しヒヤヒヤするけど、やることはやるしかないわね。とどうにかこうにか覚悟を決めることにした。


そうこうしているうちに、ダグディスの元には沢山の魔法騎士が集まり、賑やかに笑っていた。


ダグディスが私を気にかけていたけれど、私は心配しないように笑顔で答える。

それでも、私の方に向かおうとしていたけれど、また他の団員に声をかけられて思うように私の方に来れないようだった。


そんな時、1人の男の子が声をかけてくる。

「こんにちは。僕はトーマスと言います。今日あなたが珍しい生き物に乗っていたと思うのですが……」


あら。見られたのね。私のかわいい相棒だし、フェンリルという魔物ではないから、紹介していいよね。と思い、思い切って紹介することにした。


「えぇ、ファンっていう犬っぽい生き物に乗ってきたの。ほら、この子よ」


そう言って、小型化したフェンを服の中から私の手の平へと移動させる。


「えぇ?!小さいじゃあないか。こいつがあんなに大きくなるのかい?」


「えぇ、そうよ」


「信じられないなー」


そう言われ、困っているとある言葉が紡がれる。


「これは神獣なんだよ」

「「し、神獣」」


「ダグディス、何を言っているの?」


そう私が答えると、ダグディスがさらに言葉を紡ぐ。


「マルティー。ごめんな。公にしないと決めたのに。でも、君が神獣っぽいものを見せたのだから、神獣っぽいもののためにもしっかり紹介してやらないといけないだろ。だから、トーマス君。彼女が言ったことは本当なんだ。そういうことで、トーマス君もマルティーと仲良くしてやってくれ」


「は、はい」


「あくまで、神獣っぽいものだ。わかったな」


ダグディスはそう言い逃げして、私を引っ張りだしこう言う。


「なんで、こんな所であいつを出す?」


「相棒だし、魔物じゃないって聞いたから」


「それでも魔物だと誤解されたらこいつは殺されるぞ」


「ご、ごめんなさい。そこまで考えられてなかったわ」


「もう大丈夫だ。これからこいつは神獣っぽいものだ。実際に神獣かは分からないし、恐らく違うだろうけど、まあ誤魔化しだ」


「えぇ。ありがとう」


「それから、今日から俺とお前は同期だ。よろしくな」


「えぇ。本当に驚いたわ。騎士団長も辞したなんてもったいないわ」


「いいや。俺は騎士団長よりもやらないといけないことがあるからな。そして、お前が何よりも心配だしな」


「心配ですって?!きっと、なんとかなるわよ!」


「お前はやらかしてばかりだからな。まぁ、お前と俺はあれがバレないように協力しないといけないからな」


「あの脳筋キャラの過去からかなりの頭脳キャラに変身を遂げたのね。そういえば、かなり筋肉がついたわね」


「あぁ。過去を思い出して、筋肉がなによりも大事だと思い出したからな。必死で筋トレをした」


「ふふ。変わらないわね」


そうのんびりと楽しく会話を交わしていた。

この時には、神獣騒動で大騒ぎになるなんで予想もしなかった。


そして、この集会が終わり、ダグディスは騎士団長の辞任式に参加、他の騎士団員は今日も仕事。

私とダグディスは明日から仕事ということで私が1人で城内を歩いていると、あるピンクブランドでアンバー色の美しい瞳を持つ可愛らしい女性とすれ違った。


あら?と思っていると彼女が私に目を合わせてこう言った。


「あんたのせいでこうなったのよ。これからは徹底的にやるわ。覚悟していなさい」


と顔に似合わない、悪者の典型的な言葉を発してきた。


はて??私は何をしたのかしら?

と私は自分が何をしたのか全く思いつかなかった。


評価やブックマーク、モチベーションになっています。

ありがとうございます。

今後ともよろしくかお願いします。


そろそろ他キャラ視点の話も出てくるので楽しんでいただけたら嬉しいです。

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