未来のために
よろしくお願いします。
あれからの私のその後をさらっとお伝えしようと思う。
フェンリルから降りて、少し光魔法を練習した。
残念ながら、その日に光魔法を発現させることはできなかった。
その後、フェンリルに乗って森の外ーー城と隣接する所で降りた。
フェンリルと共にいたいな。
もう、パートナーのような相棒のような気分だもの。
そう思ったら、フェンリルは私の手のひらに乗れるサイズとなった。
きっと私の気持ちが伝わったのよ。
もちろん、共に我が屋敷に帰ることにした。
すると、遠くに私の婚約者になる予定だったベスター様が見えた。
すると、驚くことに彼が闇魔法の"洗脳"と似た系統の魔法にかかっていることが判明した。
このことはサラッと話す話じゃなかったかしら?
でも、彼とは話もしていないし、本当にチラッと見てわかった情報だったの。
だから、これくらいしか伝える話がなくて。
勿論、解決策は考えたから大丈夫。
これを解決する前にすべきことがあったから,その時はすぐに帰ったわ。
時が経つのは早く、私が闇魔法を使えるようになって、1週間が経った。
4日間は、公爵家の料理をたんまりと食べてしまった。
孤児時代では経験したことのない美味しさで、改めて公爵家の料理に感動をしてしまったから。
もちろん、すこし丸くなってしまった。
残りの3日間はダイエットをさせられた。
ありきたりの食事制限をされてしまった。
なぜダイエットさせられたかって?
だって、陛下とベスター様に会うから。
公爵令嬢として最大限の美しい状態で会うべき。とお母様と乳母に言われたのよね。
もちろん、娘愛と妹愛の激しいお父様とお兄様はそのままのティーナが可愛い。とやらなんとやら言ってダイエットは必要ない。とか言ってくるけど、私は、勿論あまり信用していないので、お母様と乳母の命令に従った。
その1週間は光魔法と闇魔法を少し練習した。
今後のことを考えたいので1人で散歩をしたい。
絶対に公爵家の敷地から出ない。
と約束して1人と1匹で公爵家の敷地内のちょっとした森で光魔法と闇魔法の練習をした。
闇魔法を使う際にまだ瘴気を見られる心配があったから護衛を連れて行くことはしなかったし、小さな魔物なら闇魔法でなんとかできるし、練習になるからね。
そんな日々が続いた6日目。
1人の護衛に見られてしまった。
瘴気を。
「お、お嬢様。だ、大丈夫ですか。何やら、少し黒いような灰色のような空気が近くにありますけど……
い、今すぐ助けに向かいますので待っててください!」
「大丈夫よ。今から魔法を発動させるから」
「え?!魔法ですか?!お嬢様、魔法をお使いになられましたっけ?」
「……え、ええ。なんか使える気がするの」
私の心情はというと。
ヤバい。ヤバい。やっぱり大きな魔法を使ったら、久しぶりだから瘴気が見えてしまうわね。早くコントロールできるようにしないといけないわね。
それより、どうにか光魔法を発動させないと。
出てきて。光魔法。お願いよ。
っっ。お願い。光魔法。
光魔法も闇魔法と同じくらい大好きだし、愛してるわ。
お願い。バレたら一貫の終わりなの。
そう思っていると、私の周りからピカッと明るい光が発動した。
そして、その日、私が家族会議の議題になった。
"マルティーナは光魔法はいつから使えるようになったのか"という議題だった。
ちなみにその日だったので、その日。
と伝え、使えそうな気がしたたので少し使ってみた。と話した。
多分、納得してもらえたと思う。
割愛するけれど、私に甘いお父様とお兄様のお蔭で何とかなった。
そして、国のために出来る限りのことをしたいので、光魔法を鍛えたい。そのために婚約ではなく、魔法を使う仕事である魔法騎士になりたい。と話した。
家族は私の心意気に感動して、絶対に自分の命を大切にすること。
という条件を聞いて、陛下とも話をすることになった。
それが、今日だ。
ちなみに、今日は大きな目標がある。
陛下にいくつかの事を承諾してもらう前に、ベスター様を正気に戻すという事。
もちろん、今日も私の相棒のフェンリルであるフェンは私のドレスの中にいる。
実は、あれから全てのドレスの左腰あたりに少し穴を開けて小物を入れても落ちないように、メイド達に工夫をして作ってもらった。
皆は私がハンカチとかの令嬢としての必需品を入れると思っていたけれど、実は入れるのは小型になったフェンリルということは内緒にしている。
そんなこんなで、私の準備は完了した。
さあ、あとはやることをやるだけ!
そういう心持ちで私は皇帝陛下の執務室の前にいる。
「アクランド家、入れ」
皇帝陛下からそう言われ、お父様、お母様、お兄様、私の4人で入った。
中には、皇帝陛下、ベスター様と1人の護衛騎士がいた。
一家全員で臣下としての礼をとる。
「顔をあげよ。今日は大切な話があると聞いたが」
そう皇帝陛下は言い、お父様が答える。
「それは、娘からお伝えさせていただきます」
私は一呼吸おいて、威厳があり、歳をとっても見目麗しい皇帝陛下の顔をしっかりと見て伝える。
「はい。私、光魔法が発現しました」
「っっ。何っ?」
「陛下、少し提案があるのですが、内密にしたいので少し2人で話せないでしょうか?」
「ああ」
流石は皇帝。動揺をすぐにかき消してすぐに行動に出てくれた。
「それで、どうしたんだ?マルティーナ嬢」
「はい。実は、最近ベスター様の様子が少しいつもと違うと思うのです。光魔法が発現してから、彼が何か良からぬものに侵されていることを知りました」
「っっ。な、何だと?!それは、何なのか?」
「明確に原因を突き止めることはできていないのですけれど、精神や行動を何かに誘導されていると思うのです。支配まではされていませんが……」
「そうか……確かに、いつもと少し違うとは感じていた」
「そこでなのですが、私の光魔法でベスター様の様子を治すことが出来るかもしれないのです。どうか挑戦する機会をください」
「ベスターに悪影響を与えないか?」
「はい。光魔法は聖なるものと言われています。もし直せないことがあっても、悪影響は与えません。そして、親友の彼を治せるように精一杯頑張らせて頂きます」
「君の覚悟は伝わった。息子のためにどうか頼む」
「はい!」
そして、私の提案通り進むこととなった。
光魔法を使うということで、ベスター様とアクランド家の代表としてお父様だけが入ってきて、4人となった。
さて、やってみせるわ。
もちろん、彼を元に戻すには闇魔法を使うのだけれど。
まずは光魔法を発動させる。
実はこれが1番難しい。
お願い。光魔法。発現してっ。光魔法も大好きだし、愛しているから。
よく分からない光魔法に対する愛を伝えると、なんとか周りを明るく照らす光が発現する。
よし。やってみせるわ。
まず、ベスター様に今までの良くなかった行いを振り返ってもらう。自分の行動を振り返り、強く反省して自分を客観視することで、いつもの彼を取り戻せるかもしれないから。
できなかったら、私が自信のある正常化の魔法を使うから彼が元に戻る可能性は100に限りなく近い。
そうして、彼の脳内にだけ私が見てきた彼の今までの良いとは言えない行動を映し出す。
もちろん、彼には光魔法で発動させた光の方をずっと見てもらっている。
これがスクリーンのように見えて、そこに彼の行動が映し出されるように見えるようにしている。
実際に彼は、彼の行動を目を通してではなく脳内ーー夢のように見ているのだけれど。
そして、小声で闇魔法を発現させるために囁く。
「回顧」
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次で話が動き出すと思うのでお付き合い頂けると嬉しいです。