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戦争②

読んでくださっている方々、ありがとうございます。

フェンが私たちを下ろしたのは、小高い丘の頂上だった。その下に広がる平野。


そこには、あり得ない光景が広がっていた。

私たちの帝国の騎士たちがお、互いに戦いあっている。

隣国の騎士は、基本的には、それを見ているだけ。

たまに、戦っていない帝国の騎士や、正常は保って隣国の騎士に向かっていく帝国の騎士と剣を交えるだけ。


隣国の騎士の顔には余裕の表情が広がっていた。


(どう考えても、仲間同士で戦うのはおかしいわ)


すると、それを見ていたダグディスがたまらない様子で声に出す。


「この状態は、おかしすぎる!」


私とウィルは、考え込みながら答える。


「あぁ」

「えぇ」


すると、隣国に変わった様子の人がいた。

隣国の騎士の大体の年齢層は10代後半から30代後半といったところだった。

しかし、60代ほどの男性がいた。

騎士団長の様な偉い方なのかしら?

と思いながらも、彼から瘴気と似たような、でも瘴気ではないものが周りからうっすらと出ていることに気づいた。


「ウィル、ダグディス。あの男性を見てちょうだい。あの方から、うっすらと黒い瘴気に似たものが出ている気がするわ」


「??俺は見えない」

「俺も見えない。ティーナは最強闇魔法使いで、うっすらとした瘴気も見えたが、俺たちには瘴気の量によって見えないこともあった。きっと、あの男性は少量の瘴気に似たものを使っているのだろう」


ダグディスとウィルの意見を聞きながら、魔法師団長で魔法が大好きであるウィルに改めて聞く。


「ねぇ、ウィル。闇魔法とは違うけど、闇魔法とは似た魔法ってあるのかしら?」

「……あっ。ある。あるぞ。確か、黒魔法という魔法がある」

そう言って、彼は独り言ちるように言葉を紡ぐ。


「我々の使う魔法は自然に干渉するものだが、黒魔法は魔法陣が必要なはずだ。彼は魔法陣を発動させているのか?」


そう思ってみると、平野の一部に大きく魔法陣が展開されていたのだった。


「あっちにあるわ」

「「これは厄介だな」」

「帝国騎士団は、洗脳されているわね。私が洗脳を解くわ。あと、光魔法で騎士達を多少するわ。2人は騎士達をと一緒に戦って欲しい」


彼らは心配した表情をしながらも、この作戦が合理的なのを理解した。

「「あぁ。わかった。気をつけろ」」


そうして、私たちはフェンに乗り、丘を降りる。


「正常化」


そうして、上級闇魔法を使い、騎士団全員に正常魔法を使う。

洗脳はどうにか解けたようだ。

しかし、半分ほどの騎士達は動けない。

魔法陣も展開しているため、魔法陣の封鎖も必要だ。

光魔法は、上級には達していないため、一人ひとりを回る。

怪我をしている騎士には、光魔法で治癒を。

ところが、怪我をしていない騎士も動けない人がいた。


(治癒しているはずなのに、どういうこと?)


そう思いながら、光魔法を使い続けていると、元婚約者であるベスター様が腹部を怪我した状態で倒れていた。

慌てて光魔法で治癒する。

彼の傷はすっかりなくなっているが、まだ顔は青ざめたままでこう言った。


「毒だ。今までに見たことのない毒を飲んでしまった」


(そういうことなのね)


中級光魔法では見える魔法使いが傷がわかるところしか治せない。私は毒という状態を忘れていたのね。

私はベスター様の目の前で、ベスター様と他の騎士に向かって魔法をかける。


「治癒」


そうして、闇魔法を使い、毒を瘴気で吸い込む。

ベスター様は何かを言おうとしながらも、口をつぐむ。

そして慌ててこう募る。


「……すまない。ありがとう」



闇魔法の治癒による瘴気は人々の目に見える量が必要だった。

でも今回は、光魔法で大きな光は使わない。

目の前にはたくさんの光魔法による治癒が必要な騎士達ばかり。

私の保身のために、無駄な魔力は消費できなかった。


ウィルとダグディスは、隣国の騎士と戦いながらも、魔法陣に近寄らないように帝国騎士団に伝えている様子が見えた。


そして周りを把握するために四方八方の様子を伺うと、騎士団総長である第1皇子が立ち続けているのが見えた。

彼は黒魔法を吸収していたのだった。

あえて、魔法陣から穴を開けていて、隣国の風魔法使いが、洗脳の黒魔法が魔法陣のにも行くようにしていたようだった。

その全てを彼は風魔法では封鎖し、止められないものは彼が自分の体の方向に風邪を向けて、封鎖していたのだった。


その量は、私のみんなにかける黒魔法の治癒では足りないほどの量で、それでも、彼は辛うじて正気を保ち続けていた。

私は慌てて彼に駆け寄る。


彼の様子を見ると、なんとか立っているだけで、意識は朦朧としているようだった。

闇魔法だけに集中しないと彼は助からない。さらに、助かるか助からないかは時間との戦いでもあった。


「治癒」


そう唱えた時、たくさんの矢が私に向かって、空から落ち始めてくるのが見えた。


闇魔法で封鎖することもできる。

でも、騎士団総長を助けている最中だ。

彼をまずは救うと決めた。

だから、私は彼に闇魔法の治癒をかけて、黒魔法を全て瘴気で吸収すること他に集中した。


もあそろそろ、私に矢が降ってくるだろう。

騎士団総長に矢が当たらないように、彼に覆い被さりながら、彼に魔法をかけ続ける。


目を閉じる。

もうそろそろ降ってくるだろう。

そう思った時だった。

強い熱風を感じる。


「ティーナ!大丈夫か?!」


ウィルが私の目の前で、体をはりながら、火魔法と風魔法の融合したものを使っていた。


「ティーナ!ティーナ!大丈夫なのか」


あぁ。昔もこんなことがあった。

そう懐かしさと恋しさを感じながら、彼に応える。


「えぇ。大丈夫よ」

「自分を大切にしろ!と言っただろ」

「えぇ。ごめんなさい。あなたのお陰で助かったわ」

「あとで、ティーナには色々と伝えないといけないようだ」

「えぇ。私は騎士団長をもう少しで救えそうなの」

「あぁ。俺はあの憎いジジイを捕まえてこよう」


昔の毒舌が発揮されたわね。と思いながらも、多くの騎士を洗脳したことに対して憎いのには変わらなかった。


そうして、総長に魔法をかけ続けた。


「……はっ!夢か?!」


騎士団総長はそう叫び、起き上がり、言葉を紡ぐ。


「ティーナだと?!君はマルティーナなのか。いや、まずはこの戦争を終えることだ。マルティーナ会えて良かった。助けてくれたこと、恩に着る!すまないが、他のものも頼む」


そう言って、彼は敵に向かって走っていった。


私はというと、何が起きたのか全く把握できないながらも、騎士の怪我を治すために光魔法による治癒を続けることに集中しながら、闇魔法で敵国騎士達をを捕縛していくことにした。











いいね、ブックマーク本当にありがとうございます。

ブックマークが増えていて感謝です。

完結まで、ラスト1話。

恋愛シーンが増えると2話になりそうですが、番外編として扱うかもしれません。


完結まで間近ですが、本当に応援してくださっている方々ありがとうございます。

完結まで頑張ります。

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