溢れる想い
よろしくお願いします。
「俺が光魔法を使えるというのは嘘だよ」
「えっ?!騙したんですか?」
「騙したっていうか、まずは俺に伝えるべきだよね。俺のシャシャ」
私は彼の腕の中からなんとか苦手思考を巡らせる。
えーと。どういうことだろう。私は助け舟を求めて、ダグディスを見る。
ダグディスも驚愕した表情を浮かべている。
なぜなら、私をシャシャと呼ぶ人は今も前世もいなかった。
やっぱり、ウィリアム団長は私を彼の恋人の様な存在と勘違いしているのだろう。
「ウィリアム団長。気を確かにしたください。私はあなたの恋人ではありません」
「は?」
ウィリアム団長は悲しそうな少し怒っているようなそんな表情を向ける。
そんな中、ダグディスは笑いをこらえるのに必死だ。
やっぱり、ウィリアム団長は闇魔法でおかしくなったのだろう。
どうやって治そうか。
そう思っていると、ウィリアム団長は私が離れた分以上近づいていたので、気付いた時にはまたもや彼の腕の中にいて、囁かれた。
「俺だよ。オスカーだ」
「……えっ?!お、おすかー?!本当にあなたなの!」
「あぁ。マーシャ。もう2度とお前を手放さない」
「な、なんだって?!オスカーだと!」
その言葉で、オスカーはダグディスの存在に気づいた様で、
「お前は単細胞ダスティンだろ。今までマーシャの護衛ありがとう。これからは俺が担当するから心配するな」
「な、なんだと!お前みたいな邪な目で見るやつにマルティーを任せられるか」
「なんだって?!あとそのマルティー呼びもやめてもらいたい」
「お前がいう権利はない」
これは私が仲裁しないと終わらないわね。と思い、私は声をかける。
「ところで、ウィリアム団長はどうして前世を思い出したんですか?!」
「そんな堅苦しく呼ぶな。ウィルと呼んでくれ。マーシャの闇魔法が入団式の時より強くて、全身に回ったからだと思う。実は、入団式の時からふと夢のような感覚があったんだが、それが鮮明になった感じだな」
「そうだったんですね」
「あぁ。あと、敬語もやめて、今はマーシャじゃなくて、マルティーナだから、ティーナと呼びたいんだが、いいか?」
「いいです……、じゃなくて、いいよ」
「前世を思い出して、すぐこんな事を聞くのは良くないかもしれない。でも、どうしても気になっている事を聞いてもいいか?」
「うん。いいよ」
「マーシャは何があっても死んだんだ?具体的に教えて欲しい」
その質問をされた時、ダグディスが息を飲むような音が聞こえ、私は改めて話す準備をするように目を伏せ、話す決心をつけた。
「キリアンと食料を集めた時、通常では現れない上級魔物が多く現れて襲われたの。私はキリアンを守ろうとして死んでしまったわ」
「2人は通常は安全な所とはいえ、なかなか行かないなんで場所に行ってたよな。それはどうしてだ?」
あぁ。オスカーに隠し事が出来なかったように、ウィルにも隠し事は出来ないのね。と思い事実を話す。
「キリアンに誘われたの」
「「そうか……」」
彼らは知っていたかのようにそう答えた。
その沈黙した空気をかき消すかのように、私は気になっていた事を聞いてみた。
「その後、キリアンはどうなったの?」
「キリアンもマーシャの隣で一筋の涙を流して死んでいた。と言っても、あいつは何が何でも許せないが」
あぁ。どうしてこんな事が起きたのだろう。
私は胸が苦しくなってしまった。
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