命の危機?!
お待たせしました。
ウィリアム団長は倒れた黒亜馬を見た。
そして、すぐ私とダグディスを交互で見た。
その顔は驚きを隠せないと言った表情を一瞬浮かべたように思えたけど、すぐニッコリと笑ってこう言った。
「ダグディス、マルティーナ。お手柄ですね。お見事です」
言葉通り受け取り、私は褒められて嬉しい気持ちになった。
しかし、隣のダグディスを見ると、この世の終わりのような表情をしていた。
褒められているのにおかしいわね。
そう思いながらも、魔法騎士としてやるべきことはできたはずだと私は未だ喜びにふけっていた。
「あなた達2人には、城に戻ったら、後で私の団長室に来てください。改めて状況把握がしたいです」
そう言われ、どうやって闇魔法について誤魔化そうかしら。と思考を巡らせる。
懸命に考えていたからだろうか。
私は、ダグディスの顔色がこの時青ざめているということに気づけていなかった。
◇◇◇
「マルティーナ、あなたは禁忌魔法を使えますね」
そして、現在。
私の命は終わりに向かっているかもしれない。
次に私が発する言葉にかかっている。
ウィリアム団長に闇魔法が使えることを悟られてしまった様だ。
しかし、私はまだこの世界に未練がある。
誤魔化す事に決めたのだ。
「いいえ。光魔法しか使っていません」
「マルティーナ。それは違うでしょう。なぜなら、実は私も光魔法を使えるのですが、入団試験の際にあなたが使った、人を痺れさせる魔法はないからです」
「……えっ」
団長が光魔法使いだったなんて。
あぁ。終わった。どうしよう。と思っている時、ダグディスが言葉を発する。
「ウィリアム、俺が最強闇魔法使いだ。妹の様な存在であるマルティーナの入団試験が心配で陰ながら、お前を痺れさせる魔法を使った。すまない」
ダグディスは私を守ろうとこう言い始めたのだった。
仲間の命を犠牲にしてまで、私は自分の命を守ろうとは思っていない!
ダグディスの優しさに感謝しながら、私はウィリアム団長に伝えることを決意した。
「私が闇魔法を使いました」
「いいや、俺だ」
「ダグディス、庇ってくれてありがとう。でも大丈夫よ。ウィリアム団長、私です」
「ウィリアム、俺だ」
ウィリアム団長は律儀に交互に私達を見てこう言った。
「ということは、2人とも闇魔法使いということで大丈夫ですか?」
2人とも闇魔法使いだということがバレている?!
私は、そんな結果は望んでいない。
責任は私ひとりで取れれば良い。
何としてでも、ダグディスを守らなければ。
そう決心して、私は魔法を発動させる。
「痺化」
私が闇魔法を使っていることがわかるように、あえて瘴気を私の周りに纏わせる。
「マルティーナ。やめろ!」
ダグディスの悲痛な声を聞きながら、私はウィリアム団長が認識できるくらいの痺化魔法を使う事にした。
入団試験の時にはウィリアム団長にはあまり影響がなかったので、それよりは強くするように意識しながら、後々に身体に異常が出ない程度だったはずだ。
闇魔法がバレたので、私も終わりだろうと思って強くしすぎた事は否めないけれど。
「ウィリアム、どうか、マルティーナの命だけは奪わないでくれ。もしくは代わりに俺の命を」
そう言って懇願しているダグディスを他所に。
「あぁ。あぁ。会いたかった。もう2度と手放さない」
ウィリアム団長は私を強く抱き寄せた。
「えっ?!えーー!!」
なんと、ウィリアム団長は、痺化魔法で身体の異常ではなく脳の異常が発生した。
私を恋人か何かと勘違いしているみたいだ。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからは頻度多めで頑張ります。
完結が見えてきているので、お付き合いよろしくお願いします。
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