ながれぼしの ねがいごと
後編です。
容体の変わったお母さんはどうなるのか?
赤ちゃんは無事産まれてくるのか?
どうぞお楽しみください。
びょういんにつくと しごとをそうたいした
おとうさんが ひろしくんを まっていました。
「おとうさん おかあさんは……? あかちゃんは……?」
「……っ……」
おとうさんは なにもいわず ひろしくんを ぎゅっと
だきしめました。
ひろしくんは いままでみたことのない おとうさんの
すがたに こわくなって わんわんなきました。
「……ひろし」
「……なに?」
おとうさんが おいしゃさんと はなすあいだ
ふたりきりになったジョーが ひろしくんに
はなしかけます。
「おまえさ おれさまにあうまえは ながれぼしに
なにをおねがいしようと おもってたんだ?」
ジョーのことばに ひろしくんは ぼんやりこたえます。
「げんきに あかちゃんが うまれますようにって……」
「あ? なんだって? よくきこえねえよ!」
「だから げんきに あかちゃんが うまれますように」
「ああ!? きこえねえよ! はらから こえだせ!」
「あかちゃんが! げんきに! うまれますように!」
ジョーはにっこりわらいました。
「おまえの ねがい きいたぜ!」
すると ジョーのからだが ひかりはじめました。
「えっ ジョー! どうしたの!?」
「ひろし おまえはながれぼしに さんかい ねがいを
いったから それをかみさまに とどけにいってくる」
「えっ えっ?」
とつぜんのことに ひろしくんは なにがなんだか
わかりません。
「おれさまは ながれぼしかいの スーパースター!
りゅうせいの ジョーさまだ! おまえのねがいを
きっちり ばっちり かみさまに おとどけするぜ!」
「まって! そしたらジョーは おそらにかえって
もうあえなくなっちゃうよ!」
「それが おれさまの しごとだ!」
「やだよ! せっかく なかよく なれたのに!」
なみだをながす ひろしくんに ジョーはびしっと
ポーズをきめます。
「これは おれさまからの おれいだぜ」
「おれい……? でも ぼく なにも……」
「ひろしと いっしょにまちをまわって わかったんだ
ひとのねがいを かなえるのは すげえことで
おれさまは ねがいがかなって わらうにんげんが
いがいと きらいじゃないってな」
「ジョー……」
「おまえと もっといっしょに いてみたかったが
まあ そいつはぜいたくかな」
「ジョー! やだよ! ずっといっしょに いてよ!」
「あんしんしろ おれさまは おまえのわらってるかおが
いちばんすきだから かあちゃんも あかちゃんも
おれさまが ぜんぶ ぜんぶ たすけてやる!」
「まって! まってジョー!」
ひろしくんがのばした てをすりぬけて ほしの
かたちをした ともだちは ひかりながら そらへと
かえっていきました。
「いやー おどろきです! ぼしともに げんきに
なったのもそうですが まさかふたごだったとは!」
あかちゃんと おかあさんがねむる へやのガラスの
まえで おいしゃさんが めがねをなんどもなんども
もちあげます。
「エコーしゃしんでは なんどみても おんなのこ
ひとりだったのに! こんなこと はじめてです!」
おいしゃさんのことばに おとうさんは わらいながら
こまる ふしぎなかおを していました。
「つまも こどもも げんきだったのは うれしいですが
まさか おとこのこと おんなのこの ふたごとは……
むすめのなまえは かんがえていましたが むすこは
なんと つければいいのか……」
そんなおとうさんに ひろしくんはおおごえで
いいました。
「ジョーがいい!」
「えっ?」
「おとうとのなまえは ジョーがいい!」
めを まるくする おとうさんに ひろしくんは
うれしくて たまらないようすで はなしつづけます。
「あのね! ジョーはね! おかあさんと あかちゃんを
まもってくれた ながれぼしなの! だからきっと
かみさまに おねがいを かなえてもらったんだよ!」
「……よくわからないが そうだな きっとこれは
ながれぼしのくれた きせきなんだろうな」
びっくりしていたおとうさんでしたが にっこりと
わらって ひろしくんのあたまを なでました。
ひろしくんは ガラスのむこうに にっこりとえがおを
むけました。
「ぼくは いっぺんに ふたりの おにいちゃんに
なっちゃった うれしいな ジョーも みちるも
ずっとずうっと いっしょだよ!」
読了ありがとうございます。
かみさま「おまえの ねがい きいたぜ!」
角の生えた赤い暴れん坊を思い出した人は僕と握手!
今年は冬童話のネタが『流れ星自身の願い事があったらどうだろう?』しか思い付かず、その分長くなってしまいました。
楽しんでいただけたなら幸いです。