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ひろしくんの ねがいごと

続きまして中編です。

二人の街巡りはどんな感じになりますか……。


どうぞお楽しみください。

 あさになりました。

 ひろしくんと ジョーは まずは さかとかいだんを

のぼって こだかいおかの じんじゃに いきました。


「ここから まちがぜんぶ みえるんだ」

「おお そらからみるのとはちがうな」

「あ そらのほうが よくみえるよね」

「いや まちでくらす ひとのすがたが はっきり

 みえるのは なかなかしんせんだ」

「よかった」

「このひとの かずだけ ねがいごとが あるんだな」

「ジョー?」

「そらから みているだけでは わからないものだ」


 すこし うれしそうなジョーをみて ひろしくんも

なんだか うれしくなりました。

 つぎに しょうてんがいに いきました。


「あ ふくびきやってる」


 しょうてんがいでは しんしゅんはつうりのイベントで

ふくびきを やっているようでした。


「おおあたり〜! ペアでいっぱくふつかの おんせん

 りょこう ごあんな〜い!」

「やったあ! きのうのながれぼしに おねがいした

 かいがありました!」


 おおきく かねのおとが なりひびき こうこうせい

くらいの おねえさんが うれしそうに とびはねます。


「ねがいがかなった にんげんは あんなふうに

 よろこぶんだな……」

「あれも ながれぼしの しごとなんだ」


 ぼうっとみていたジョーが ひろしくんのことばに

われにかえりました。


「ふ ふん どこの ながれぼしだか しらねえが

 かんたんにねがいを かなえやがって」


 すると ふくびきのおじさんが ためいきまじりに

いいました。


「いやー にひゃくまいも ふくびきけんを あつめて

 きたこは はじめてだよ」

「はい! どうしても いっしょにいきたいひとが

 いますので たくさん おかいものしました!

 しりあいにも おねがいして わけてもらいました!」


 そのはなしをきいた ひろしくんは ジョーに

はしゃいで いいました。


「すごいね! あの おねえさん がんばったんだね!」

「う うん あ あれだけ どりょくしたやつなら

 ねがいをかなえてやるのも わるくないかな」


 ジョーは しどろもどろに そうこたえました。

 つぎにふたりは おおきなかわに いきました。

 どてにすわると かわのしゃばしゃばいうおとが

おだやかに きこえてきます。


「ちじょうの かわは こんなおとが するんだな」

「このかわの おときくの だいすきなんだ」

「そらには あまのがわが あるけど おとは

 しないんだ」

「そうなんだ」

「おれさま しらないこと ばっかりだ」

「ジョー?」


 ジョーはすこしさびしそうに わらいました。


「いままで いくつも ねがいごとを かみさまに

 とどけてきたけど おれさまが うけたのは おかねが

 ほしいとか モテたいとか そんなのばっかりだった」

「ジョーは そのおねがい やだったの?」

「だってよ! ながれぼしに ねがうおねがいなんだぜ?

 とくべつで すげえのがいいじゃんか!」

「うん そうかも」

「でもさ ねがいにも いろんなのがあって そのために

 がんばってるやつもいるって わかったから おれさま

 またねがいを かなえてもいいかなって おもったぜ」

「よかった!」


 ジョーが げんきなこえに なったので ひろしくんも

うれしく なりました。


「なあ おまえのねがいって なんだ?」


 きかれて ひろしくんは すこしかんがえました。

 あかちゃんが げんきに うまれますように。

 それがおねがいでした。

 でも おねがいをしたら ジョーはおねがいを

かみさまにとどけに そらにかえってしまうでしょう。

 そうおもった ひろしくんは ちがうおねがいを

ジョーにいいしました。


「んーとね ジョーともっといっしょにいたいな」

「そんなのでいいのか?」

「うん! だってながれぼしと いっしょにいられるって

 とくべつで すごいおねがいだもん!」

「そうか おまえ なまえは?」

「ひろし!」

「そうか ひろし よろしくな」


 そのとき ひろしくんの けいたいが なりました。


「あ おとうさんだ」

「それが けいたいって やつか」

「うん でていい?」

「いいぞ」

「ありがとう」


 けいたいの つうわボタンをおして ひろしくんは

みみにあてました。

 すると みるみる ひろしくんの かおいろが あおく

なりました。


「どうした!? なにがあった!?」


 ジョーの といかけに つうわをおえた ひろしくんは

ぼんやりと こたえます。


「あかちゃんが うまれるからって びょういんにいる

 おかあさんのぐあいが わるくなったって……」

「なにっ!?」

「おかあさん ぼくがうまれるときも たいへんだったって

 まえに おとうさん いってたんだ…… もしかしたら

 おかあさん しんじゃうかも……」

「ばかやろう!」


 なきそうになっていた ひろしくんは ジョーの

つよいことばに びっくりしました。

 でそうになっていた なみだも ひっこみました。


「いしゃってのは おれさまたちに たよらないで

 ひとのいのちをたすける すげえやつらだ!」

「う うん」

「おまえのかあちゃんは きっとだいじょうぶだから

 びょういんにいくぞ!」

「う うん!」


 いわれて ひろしくんは ジョーといっしょに

びょういんに はしりました。

読了ありがとうございます。


お母さんと赤ちゃんの運命は……?


後編をお楽しみに!

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