サイハテノハテ
エバーラスト王国の下町で暮らす少女ユアンは、4年前まで騎士だった。ある事件で母親が死に、心を閉ざして騎士を辞めることに。
ある日彼女宛の手紙で、国王陛下から直々に第四子息の直属護衛を任命されてしまい、拒否権などないため城へと向かった。
そこで出会ったのは透き通るような碧眼を持つ年端もいかない美しい少年、ナスカ・メラルール。彼こそが護衛対象の第四子息である。しかし彼は母親である王妃に壮絶な虐待を受けていた。
軟禁状態の彼を少しでも楽しませようとするユアンに心を開いていくナスカ。2人の距離は徐々に縮まり、ナスカにとってユアンとの時間は嫌なことを忘れられる大事なものとなる。
しかしそんな少しの休息もすぐに終わりを迎え、王城は何者かの手引きによって炎に包まれてしまい、更には裏切り者の騎士に命を狙われ、二人は死に物狂いで逃げることに。
なんとか逃げきったあと、ナスカはこのままもっと遠くへ逃げようとユアンに提案する。
「連れて行ってよ。
あの最果ての"果て"まで。」
少女と少年の逃亡の旅が、始まってしまった。