暇つぶし
「毎日毎日そんなのばっかり、よく飽きないわね。」
『毎回違うからね、今回はレア度高めだし。』
彼女が少し嫌味を言った事に、彼は気付いていない。
「ふ〜ん。どぉでもいいけど、掃除、手伝ってくれるんじゃなかったっけ!」
『ああ御免!やるやる、直ぐやる!』
彼女が怒っている事に、彼は敏感だ。
「別に直ぐじゃなくても、イイんだけど。」
『イヤ、いいんだ、あんなの。』
彼女がすねている事に、彼は焦っている。
「レア度高めなんじゃないの?」
『まぁ、でも…』
彼女が呆れている事に、彼は動揺している。
ここで、ついうっかり“暇つぶし”などと応えてしまえば、いよいよ逆鱗に触れてしまう。
「でも?何?」
『ごめん、ウリエル。』
「ほんっと、ルシファーって、人間育てんの好きよね!」
人類の歴史など神の戯れでしかないのかも知れない。