神のたたり?
前回の続き。
最初の被害者は、ある発展途上国の地方都市に在住していた中年女性で、職業は
祈祷師。
この国では国民の所得がきわめて低く、病気やケガ等で医療機関に行けるのは、ごく一部の人たちだけ。
ほとんどの人たちは、医師よりは「祈祷師」にかかる場合が多い。
負担が比較的低廉なので。
各地に「祈祷師」がいて、この国では高額所得者。
ある地方都市で「商売繁盛」の女性祈祷師が、平日の深夜に殺された。
遺体を検視した警察は驚いた。
「これは何だ?こんなことが本当にあるのか?」
遺体は縦に「割れて」いた。
頭の上から陰部まで一直線に「縦割り」にされて、
ぴったり2つに。
もっと奇怪なことに、体はかちかちに乾いていて、こういう場合につきものの、多量の出血などが皆無。
遺体を調べた医師も首をかしげた。
「こういう殺され方は初めてだ。」
祈祷師の近所の人たちは、「神のたたりか?」
警察は凶器等を発見することができず、事件は迷宮入りに。
ただし、「世界の警察官」を自認する国は、現地の大使館を通して、遺体や現場についての詳細な情報を収集していた。
(続く)