1.8
あと10秒何とか頑張って下さい!
お2人さんもうすぐです!もうすぐ詠唱が完了します!
獲物が真っ直ぐ此方に来る、小さな獲物は血だらけだ
最初よりも確実に動きが悪い、それにその程度のスピード今なら確実に仕留める事が出来る!
このモンスターの特徴は時間と感情だ、このモンスターは戦闘の時間が経つほどスピードが増し
ある感情になるとパワーが倍近くにまで上がる。
その感情は怒りだ!
これで決める!今の調子なら最初のスピードでも確実に屠ってくれる!
ゴリ犬ことマッスルワンは全力でパンチを繰り出す。それはこの日一番のパンチだった。
砂埃が辺りに舞い一瞬視界が無くなる。
しかしマッスルワンは嗅覚で居場所を探る。
そして気づく っ!いない!
自身の拳の下から血の匂いがしない!
あり得ない!今攻撃を避けても衝撃で必ずダメージを負う筈だ
何処だ!何処に行った!
「ここだよクソゴリ犬」
っ!背後から声が聞こえた
どうやって避けた、これまでは全て避けられても必ず前にいた
背後になど、これまで一度も
「何故俺がお前の後ろにいるか分からないって顔だな
まぁどうせ言っても分からないだろうし言わねーけどさ、それと良いのか?俺の相棒から目を離して」
マッスルワンは動揺から気付くのが遅れたもう1人が自身のすぐ近くにいるのが
しかし気付くのが遅すぎた、気付いたときには目の前に赤い球があった
流石はレートだ奴の顔が低い所まで下がっている
これで決める奴は完全に動揺している俺に全然気付いてない
赤い球を片手に持つやつの顔に向けて全力で押し付ける
ベチャっと音を立てて一瞬辺りは静寂になった
「ガァァァァァァァァァァ!!!!!!」
マッスルワンはあることしか考えられなくなる。
痛い!目が鼻が口が舌が!これまで一度も体験した事の無い味に目からは涙、鼻からは鼻水、口からヨダレが垂れ流し地面に横たわり苦しむ
辺りは砂煙が大量に舞う
その中からリムは咳をしながらレートの所に行く
近づいて分かるレートが無理をしてあの攻撃を避けた事がレートの足は焦げた様になっている箇所が所々にある
「レート闘気を無理やり使ったんだね。直ぐに治療しないと足に後遺症が残る可能性がある」
レートは手に膝をついて砂埃の方を見ていた
「まだだ、まだ奴はあそこにいる。それであの魔法使いの攻撃は間に合うのか?」
レートは彼女を見る
それに気付いた彼女は首を縦に降る
どうやら間に合いそうだ
ある人は言う
何時も決まって油断している者から死ぬ
ある人物は言う
勝利の直前が一番油断してはいけないモンスターの心臓が止まるまで油断してはならない何故なら
「っ!リム!」
モンスターは最後の瞬間まで諦めないのだから
砂埃の中から横に拳が出てくる
リムは完全に油断していた。
横から自分に迫る拳が見える
あの赤い球は激辛の成分が多いガラシを使い作った物だ
これまでのモンスターには効果があり、現に奴にも効いていた。
だが、これまでのモンスターと違い回復が早かった
奴は僅か10秒未満で回復するほどの回復力があった。ただそれだけのことで勝利の未来を変えた
もうすぐ詠唱が完了します
あと5秒
それにしても凄いお2人です。あんなにボロボロですけど見事に時間を稼いでくれました。
感謝します。
お2人は私の命の恩人です。この事は一生忘れないですぅ。
あと2秒、1秒
・・・できた!!!
行きます!この攻撃で・・・・・
えっ!こっちに何か・・・・人です!人がこっちに飛んでくるです。
ちょっと待って下さい〜今、今攻撃しないともうマナが!マナがー!
リムが目の前から消えた!
いや、あの魔法使いの所に飛んで行ってる。
飛んでいるリムからは血が落ちるのが見える、くそっあれは間違いなく致命者だ!
すぐに治療しねーとリムが死ね!
急いで追いかける。しかし無理をした足はもう限界だった。足が絡まりそれでも走る痛みを我慢して目の端に涙を浮かべながら
「ぎゃふん!」
飛んでくる彼が私にぶつかり魔法がキャンセルされた
あ〜!
もう終わりですぅ!
意識がボンヤリする中で誰かが泣いている。あーダメだな目の前で誰かを泣かすなんて、何の為にこれまで頑張ったんだ!?
守る為だろ!自分の両手の届く範囲だけでも!
くそっ!
右はもうダメだ、でも左は動くそしてまだ生きている
なら!
「ゴフっまだ魔法は打てますか?打てるならもう一度お願いします。」
口から血が出る
息が苦しい口の中が血の味がする、痛みも感じない
かなりのダメージを受けたみたいだ。
でもまだ動ける!
「だっだめですよ!動いたら死んじゃいます。それにそんな身体で、また30秒も時間を稼ぐのは無茶ですよ」
彼女は慌てた様子で俺を支える
「それでも全員が生き残るにはこうするしかないんです。ゴフッお願いします。」
しかし彼女の言葉は敗北を意味した
「ご、ごめんさいもう魔法は打てません。マナがもう無いんです。完成した魔法をキャンセルすると魔法を使ったのと同じでマナが減るんです。だから、もう私に攻撃手段はありません。
すいません。わたしが巻き込んだばかりに貴方とお連れの方も死なせてしまいます。」
レートが丁度俺と彼女の所に来た
どうやら聞こえていたようだ、何故だろう?少し笑ってる気がする
「はぁーっでどうする?
俺の足はもう限界、リムは重症、魔法使いはマナが底をついた。アイツを倒す攻撃手段がない、それにアイツはまだ完全に回復していないようだがそれも時間の問題だ逃げるにしてもその内追いつかれるだろ
最悪だお手上げだ。」
よく見るとアイツはまだ目が回復してないようだ目を瞑ってる
「たっ確かにそうですね。もう手がないです。ごめんなさい巻き込んでごめんさい最後にお2人の名前を教えて下さい。「俺はレートであんたが支えるのがリムだ」ありがとうレートさんリムさんお2人のお陰で少し長く生きれました。私の名前は「待てよ」どっどうかしましたか?」
レートの声に彼女はレートに聞く
「誰が諦めるって言った?」
彼女は思わず大きな声を出す
「なっさっきお手上げだって言ったじゃないですか!」
レートは小さく笑いながら魔法使いとリムを見る
「確かにお手上げだ攻撃手段も無く逃げる事も出来ないでも俺たちはまだ生きてる。なら
「「諦める理由にはならない」」そうだよなーリム」
そこだけ2人の声が重なる
「なっ!!そんな事言って何が出来るんですか!
もう打つ手がないんですよ!これからどうするんですか!」
息が苦しいく身体も重いが何とか彼女の支を外し1人で立つ
「君の言う通りだ、俺とレートと君にもう打つ手がないけど、何となく分かるまだ希望はあると」
彼女は震え涙を流していた
レートとリムを見て
「何処に希望があるんですか!こんな森の奥でこんな夜に何の希望があるんですか!あれだけ赤い光を打っても貴方達以外誰も来なかったんですよ!それとも今更他の冒険者が来るとで言うんですか!」
レートは答えるリムを一度見て彼女を見て
「いや来ないだろ、こんなに派手に音を立てているのに俺達しか来なかったんだから」
「だったら!「そう俺達しか来なかった」何を言ってるんですか」
彼女は何を言っているのか理解できなった
この2人は何を意味が分からないです?
希望は私のお師匠がたまたま起きてたまたまこっちに散歩でもしないと希望なんてないです。
それにさっきから俺達って2人じゃないですか
ってあの犬が!
こっちに来るです〜〜!!!
ゴリ犬が来るのが見える
あぁどうしようか、彼女にはあぁ言ったけど正直何も想い付かない身体も痛くなって来た
彼女は震えてうずくまってる、レートは真っ直ぐゴリ犬を睨んでる
強いなーレートは俺も強くなりたいな
そんな時間無いけど、どうしたら勝てるんだろう
何か無かったけ?
くそ犬が来る
俺に出来るのはアイツを睨む事だけだ
リムはなんか考えてる顔してるスゲーよお前は、あぁ言ったがもう半分くらいは諦めてる
でもこのまま死ぬのはやだなー
アイツに一撃入れてやりたいなー
なんか無いかなー
獲物も前までマッスルワンは来た
3匹の小さな獲物は既にボロボロもう逃げる様子も無い
だか!今度は油断しない!
先程みたいなことはもう無いどんな行動をしようと決して見逃さない!
大振りでは無く最短距離でパンチを放つ今の自分の調子ならこの程度のパンチでも確実に潰せる!
あ!剣がある!
あ!拳がある!
片手バージョン天乃守!!
拳の闘気を意図的に暴走させて暴拳!!
気がついてたら腹から血が出ていた
いや正確にには見ていた
剣を持った奴が我の拳をあの技で下ではなく上に流し空いた胴体にもう1人が拳をぶつけて来たぶつかった瞬間飛ばされた!
またか!また!邪魔されたのか!!!!!
「グアァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「痛ってーザマー見やがれ一発入れてやったぜ。おかげでもう右腕は骨がポッキリだが」
レートの拳は焦げた跡が残り腕は骨が明らかに折れているだろう方向に曲がっていた
「あぁ案外出来るもんだね片手で天乃守初めてしたよでも剣はもうダメだね折れたついでに左腕も、今度こそもう打つ手がないよ両腕は折れ武器もないマナも無いレートはどうだい?」
その場に座りレートを見た
レートもその場に座った
「俺は左腕が大丈夫なだけで、あとはダメだなもう走れないし右腕は死んでマナも無いもう立つのも厳しいぜ」
疑問に思った魔法使いは顔を上げて驚いたさっきまでいたゴリ犬は少し離れた所に倒れレートとリムは先程よりもボロボロだ
「なっ何があったんですか?!気がついたらあのゴリ犬は倒れてますし、リムさんとレートさんは先程よりも怪我してるじゃ無いですか!」
何が起こったのか理解出来ずあわあわしている彼女を見ると少し可笑しくなった
「なんか残って無いかなーって考えたら剣があるって気付いて試したんだ」
「俺は拳あるじゃんってなって死ぬなら試してやろって感じだなそしたら「「あぁなった」」 」
意味はよくわからないが、取り敢えず2人がめちゃくちゃな事だけだはわかった
そして戦慄した。もう無いと思ったらまだ打つ手があったこの2人はそれを自分の前で証明した。
ただマナが無いだけの自分は何もせずただ怯えている間に2人は
己の身を削りアイツに届く攻撃を繰り出した
涙を腕の裾で拭う 叫んでいるゴリ犬を見る
起き上がっている
「ありがとうございますお2人さん。貴方達がここまでボロボロになるまで頑張ってマナが無いだけで無傷の私が諦めるなんてお2人に失礼です。
ここからは私が頑張ります。まだ何が出来るか思いついてませんが、私をお2人を見習って最後まで諦めません」
私は歩くゴリ犬のの所まで
ありがとうございます見ず知らずの、私の為にここまでボロボロになってまで戦っていただいて
これで負けても私、後悔はありません。だって最後にこんなにも素敵な2人に会えたんですから。
ふと両横に人影が
見るとリムさんとレートさんがわたしの横に居た
「何処に行こうとしてるんだい?僕達はもう仲間だ
一人で行かせるわけないよ」
「リムの言う通りだ、一緒に戦ったらもう仲間だ
それに俺達の出番は終わりだ見ろよ
俺達の英雄の登場だ」
レートは後ろを左手で指すそこに居たのは
「待ってたよ僕達の仲間プル」
夜の中、輝く一人の剣士プルメリアがいた
一人になったプル
焚き火を一人で眺めていると
頭の中に声が聞こえた
行かないのかい?君の仲間は行ったよ
また君かホッシー
ここしばらく話しかけて来なかったのにどうしたんだい?
それに僕は今の居場所が気に入ってるんだ。出て行くつもりはないよ。そもそも冒険者をしてみたらって言ったのは君じゃないか
それについては今は諦めるよ、でもいつかは離れないといけないよそれだけは忘れないでおくれ
それに今回は違うよ正直あの二人では今回の相手は厳しいよ
わかってる魔法使いが苦戦する相手だ、Fランクが行っても何が出来るか分からないけど僕も本当は二人と
そうだねあの二人はFランクの実力じゃないでもそれでも厳しいと思うよ
僕だって!僕だって一緒に戦いよ・・・・でも怖いんだ大きいモンスターが
・・・なら帰って来た彼らの為に傷の回復が出来る実
を取りに行こう
ホッシーの声通りに着いていくとそこは不思議な場所だった
森の中にピンクの花が咲いた木が急に現れた
その木の周りには他の木は無く真ん中にポツンとあった
近づい見ると紅小さな実がなっていた
どうやらこの小さいのでもう成長してるらしい
ぐう〜
お腹空いてしまった
ねぇこれ食べても大丈夫?
大丈夫だよ
この実は凄いんだ傷は直ぐに治り、体力とマナを回復させる効果がある街で売れば一つ最低でも100万リン
はするよ
たっ高いんだね
それでは一つ毒味を
うわっ凄いな!身体が凄く軽いなんだか元気になるよ
・・・・・・よし!リムとレートにもあげようもしかしたら酷い怪我を負ってピンチかも知れないしそれに戦うのは多分無理だけどこの実を投げて助けるくらいはできる!
彼は眩しいかったこの暗闇の中で一人だけまるで物語に出てくる英雄のようだった
バシッ
「痛った〜!
何するんだよレート!僕が怖いのを我慢してせっかく来たのに!酷いじゃないか」
レートはプルの頭を叩いていた
「うるせ〜!
来るのが遅いんだよお陰でこちとらボロボロだわ!
無事なのが左腕しかないんだよ!それに眩しいわなんで光ってんだよ」
レートは左腕以外の怪我した所をプルに無事な左で指差してここ、ここ、ここと行った具合で教える
「えっ!僕光ってるの?気づかないかったなんか周りが明るいなぁ〜としか思わなかったよ。それにしても
レート酷い怪我じゃないか!こんなにボロボロにうぅ酷い許さないぞ」
そしてリムは全身アウトだ左足ぐらいしか、ましな箇所がない
リムを指してレートは言う、プルはリムに勢いよく近くその時に隣にいた魔法使いを意識してか無意識か分からないが押しのけた
「レートより血だらけじゃないか!腕も変な方向に曲がってるし、死にそうじゃないか。
何がさっさっと倒してくるだよこんなボロボロになって・・・・・僕久しぶりに激おこだよ、怖いけど一言文句言いたいよ」
顔を赤くして地面をポフポフと踏む
えっ何でそんな音鳴るの?プルの地面だけ違うの?
わか・・・・うっうっうん
まぁそれは後にしよう
「大丈夫だよ凄く痛いけど何とか立てるし、それにまだモンスターはあそこにまだ勝負は終わってない」
ゴリ犬の居る方向顔に顔を向ける
プルも少し離れた所に居るゴリ犬を見る
「ひっ!何であんなにゴリゴリなんだ怖いよ!
やっぱ怖いよ〜早く逃げようよ」
プルは怯えたように少し後ろに下がり俺の後ろに隠れた
何なんですか、あの女の人は急に出てきたと思ったら私をつき飛ばして何なんですか
酷いじゃないですか
それにしても不思議な人です。何だかんだ眩しいし
何で光ってるんですか
「レートさんレートさん、あの子誰ですか?」
魔法使いは小声でレートに話かける
「あいつは俺達の仲間でプルメリア。俺達はプルって呼んでる」
「え〜二人じゃなかったんですか
何であの女の人はこんなに来るのが遅かったんですか」
レートは言いにくそうに言う
「あいつ怖がって来なかったんだ。それに二人なんて一言も言ってないぞ。それにプルはあれでも一応男だぞ」
「確かに言ってないなかったですけど。
えーなんですかその理由・・・でもどんなモンスターか分からないのに来るほうが珍しいのかな
そう思えばお2人は凄いい人ですぅ。ありがとうございます。
それにしても男ですか。う〜ん信じられません。こんな美少女が男なんてなんて迷惑な私より可愛いなんて自信無くしますぅ」
魔法使いは自信なくしたようでションボリしている
「グガァァァァァァァァァァ!!!!」
どうやらゴリ犬が本気で怒っているようだ顔に血管が浮き出し湯気のようなのが頭から出ている
「うわぁ〜ヤバイですぅ。
忘れていましたけど今かなりピンチですぅ
そこのプーさん今は貴方しか戦える人が居ないんです」
魔法使いの女の子はプルにしがみつくプルはしがみつかれて振り解こうとしていた
「ちょっ何するんだ、これじゃあ動けないじゃないか
ってあのゴリ犬が来てるじゃないか!早く逃げないとレート手伝ってよ!」
「いや逃げるも何も俺とリムは走れないから逃げれないだわ。悪いな」
その言葉でプルの顔は青くなった
しかし直ぐに顔を横に振り元に戻すと魔法使いの女の子を素早く引き離した
「どっどうしようリム!これ終わってるよね!ねぇ!」
リムの肩を掴んで揺らすプル
痛い
「大丈夫だよプル君はならいや君しかできない君は強いんだ自分を信じれば出来る」
プルの目見て言うが
「またそんな嘘つく!無理だよ怖くてあんなゴリゴリしたの見れないよ」
そこでレートは思い付いた
「じゃあ目瞑ったらいんじゃね」
魔法使いの女の子は何言ってんだこいつって顔でレートを見る
「それだ」
「それだね」
えっ
トンデモない奴らだ
えっ!
「いやいや普通に無理でしょ」
三人は同時に
「「「えっ」」」」
「えっ」
私が可笑しいのですか!
そう思っているとプーさんは目を瞑ってゴリ犬に歩き出す
えーマジで行きましたよ
そしてマシで送りだしましたよ
頑張れーって
「わぁーやっぱり無理だよ!」
プルは少し泣きながら帰ってきた
知ってました、そんなんで倒せてたらここまで苦労してませんよ。
でも本気でヤバイですぅ
このままじゃみんな死んじゃうですぅ
「ギャーこっちに来るよもうこっちに来ないでよバカ〜!!」
プルはパニックになっているのか持っている剣を振り回す
すると身体の光が剣に集まって
ズバン!!!!!
はぁあ!?
えー(・Д・)!
マジか!!