1.3
何時も使う、街に行く道を走っていた。太陽も上り暖かくなってきた。
我が家は山の頂上付近にあるのだが、この山道は街に行くための我が家、唯一の道だ。
実はこの道、父さんと母さんが2人で作ったそうだ。
手作りのわりに、意外にも歩きやすく、走って下る事が出来る。
不思議な事に結構傾斜があるのに滑る事がない。
山にはモンスターがいる筈だが、この山道と我が家の周りにはモンスターが殆ど出ない
父さんの話では母さんと2人で作ったから、モンスターも近づかないらしい
流石は父さんと母さんだ
そう思いながら下って行くと何時もの聞く市場の賑わいが、聞こえて来た。
この街の名前はボート
市場が有名でよく違う街からも買いに来る人が程だ
店の数は100を軽く超え人が多くの人が買い物に来ている、食べ物だけではなく日用品からよくわからない物まで売っている
この市場は朝から晩までずっと開いている、中には夜中しか営業してない伝説の店もあるらしい、その店は不定期にか営業していない為、開いているのを見ただけで幸運になれるとか、ちなみに何の店か分からない
いつか見てみたいな
「おう、リムじゃねーか
エリンなら少し前にここを通ったぞ、なんだか機嫌が悪そうだったけど、何かあったのか?」
そんな事を思いなが進んでいると、誰かが話掛けて来た声の方を見ると
そこには、デカイ人がいた・・・いやバンドルおじさんだ
何で市場で店をやっているのか?と疑問に思う程のゴリゴリのおっちゃんがいた
名前はバンドル
190はある身長に見事にな筋肉、そして幾たびの修羅場を越えてきたと思わせるその顔つき、頭にはいつも手拭いを巻いている。
実は父さんと知り合いだったりする、その為小さい頃からよく知っている。
「いや〜
実はエリンにニンジーンを食べさせようとして失敗したんだ」
「バッハッハッハ‼︎
そいつは機嫌が悪い筈だ、エリンのニンジーン嫌いは昔からだからな」
大きな声で笑いながら、ほらよと言い
ボナナを俺に渡してきた、黄色く少しカーブがある食べ物だ、回り皮と剥ぐと身が出てくる。
実このボナナ食べると少しだけ身体能力があがる凄い食材なのだ。
まぁ余り貴重って程の物じゃない、むしろこの市場には何処でも売っている。
俺は投げられたボナナをキャッチした
「ありがとうバンドルおじさん、今日も頑張るよ」
「頑張ってこい、男は無茶してなんぼだ
それとラージンは元気か?」
「元気だよ、母さんがここ数年帰ってないけど手紙にもそろそろ帰ってくるって書いてあったし
父さんは今朝狩った、落下鳥を捌き終わってるころじゃないかな」
「そうか!
エミリーも久しぶりに帰って来るかそれは楽しみだ
帰って来たら教えてくれ、何か祝いに持っていく
それにしても、落下鳥をねー、あの鳥はあんま上手くねーぞ、なんでまた」
「知ってるよ、でも食べれない事はないし、それに
今朝エリンが仕留めたんだ、可愛い妹が狩った食材は兄として何があっても食べる」
「そっそうか
まぁ程々にな、ほら早く行きな仲間を待たせるぞ」
全く相変わらずエリン大好きな奴だ
「わかった、母さんが帰って来たら知らせるよ
それじゃあギルドに行ってくるよ、帰りにまた来るよ」
手を振りながら人波をかき分け、ギルドに向うのだった