激突! 鬼ヶ島っ!! ~迷子編~ 通行人A登場。
「ところで・・・、鬼ヶ島ってどうやって行けば良いんだろう・・・。」
そうなのだ。
ボクは肝心な目的地の場所を知らないまま屋敷から出て来てしまったのだ。
「今から戻って場所を聞くって・・・
ハァ。
駄目だよなぁ・・・。」
今更感があり過ぎて、ちょっと(大分)恥ずかしい。
「そうだ、誰かに道を聞いてみたらそうだろうか・・・。」
こういう時って、なかなか通行人とか居ないよねー。
TVなどの取材では、ちょっとカメラが道路を映せば、誰かしら通行人が必ず居て、しかも、必要な情報を持っている人とか、知っている人が登場するのだから、仕込みを疑っても・・・。コホン。
「すみませーーーんっ!!
誰かぁーーーーーっ!!
居ませんかぁぁぁぁーーーーーっ!?」
虚しく声が霧散するだけだった。
これまで周囲2~3km付近で人影無し。
「クッソーこれが噂に聞く『過疎化』かぁー。
限界集落超えて、崩壊集落まで進んでんじゃないかなぁー・・・。」
お爺さんとお婆さんが住んでいた屋敷から、既にしばらく歩いて来た。
二人の屋敷の敷地も広かったが、あの場所には従業員も沢山居たので、淋しさなんて感じる暇も無かった。
むしろ、あの二人からの『特訓』と称する試練の数々から抜け出せたのだから、今の状況の方が遥かにマシだ。
「それにしても・・・
アノ二人って一体何者だったんだろう・・・?」
屋敷内でも、互いを「爺さん、婆さん」と呼び合うだけで、周囲の従者たちも「お屋形様」としか呼ばない。
「二年も一緒に住んでいて、正体はおろか、何も掴めないなんて・・・。
一体どんな人生送ってる人たちだったんだろう?」
小首を傾げながら、少年、いや、もう青年に近い桃太郎が歩いていると
「おや、向こうに人が居るみたいだ。
助かったぁー。」
人気が無かった道沿いに、一人の若者の姿が見えてきました。
「あのー すみません。」
「ハイ。
なんでございましょう?」
良かった。
まともそうな人で。
屋敷での濃すぎる生活で、内心ビクビクしながら声を掛けた桃太郎でしたが、返答がまともなので安心しました。
「道を尋ねたいのです。」
「ええ、良いですよ。」
全体的に真っ白をイメージさせる眼鏡の若者は、背がスラっと高く、知的で整った顔立ちをしていました。
「『鬼が島』ってどうやって行けば良いのですか?」
「・・・!?」
あれ?
どうしたんだろうか、少し怯えているようだけど、この人大丈夫かな?
心配する桃太郎。
「『鬼ヶ島』ですか?
・・・一体なんの目的で・・・?」
「いやー 最終試験で『鬼退治ミッション』へ挑まなければならないんですよー。」
「まさかっ!?」
知的な若者は、クワっと目を見開くと、信じられないモノを見るような目つきで桃太郎をジロジロと見つめた。
「ですよねー。
ボクもちょっと、いや、出来れば遠慮したいかなーって思うんですけどね・・・。
ハァー」
「死にに行くようなもの、ですよ・・・。」
若者は遠い目をしながら言った。
「そんな・・・脅かさないでくださいよ・・・。」
「事実です。」
混じりけ無しの真剣な眼差しだった。
「とりあえず、近くまで行ってみるだけでも良いので、行き方だけでも教えて貰えませんか?」
「そこまで言うなら・・・。
良いでしょう、道案内は引き受けましょう。
そこから先は、ご一緒する訳には参りません。」
「ありがとうございます。」
あ、道を教えてもらえるなら、せめてお礼の一つでもお渡しした方が良いよね。
「コレ、つまらないものですけど、良かったらどうぞ。」
「・・・!?
コっコレは・・・っ!!」
「え、ただのキビ団子ですけど?
お土産贈答用に包装されてますけどね。
ハハ・・・・」
『贈答用』と包装紙に焼き印が施された桃印のキビ団子贈答用詰め合わせセットを受け取った若者は、しげしげと化粧箱を眺め、何かを決意したようだった。
毎回不思議に思うけど、歩くと必ず誰かに会う確率って地方ほど低いですよね・・・。
道を聞こうと思っても、滅多に人影すら無いとゆー現実。
『妹がヤンデレ過ぎて怖い件について』
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