目指せ! 鬼ヶ島!!
それからしばらくの間、鬼よりも恐ろしいと評判のお爺さんの屋敷で過ごしていた桃太郎でしたが、ある日ふと、気が付いてしまいました。
「もしかして、このお屋敷に住んでいる人たちって・・・。
めっちゃ強い人揃い?」
お爺さんとお婆さんが若い頃ブイブイ言わせて『浜の伝説の黄金カップル』と呼ばれる過去があることは、時折り酒の席で聞かされています。
が、少年は未成年なので、ジュース片手に何度も同じ話しを嬉しそうに繰り返すお爺さんに辟易しながらも聞かされていました。
お婆さんからも、自慢げに語られるかつての二人の武勇伝の数々に、ドン引きしながらも、お相手していました。
とにかく、ここは『修羅の棲む屋敷』だと。
◆
そんな屋敷で過ごして2年ほど。
今ではすっかり逞しくなり、以前の弱虫、泣き虫小僧では無くなった桃太郎に課せられた最終試練が『鬼が島へ鬼退治ミッション』。
クリア条件:鬼を一匹残らず退治して来ること。
なお、一匹でも残った場合、地獄の特訓半年間やり直し。
この地獄の特訓は、桃太郎をして二度と体験したくないと泣き言を言わせた二番目の辛く苦しい経験だった。
※一番目は登場初日の自白強要。
「おしっ!
とりあえず、コレ持ってけ。
餞別な。」
お爺さんが大きな袋を渡してくれた。
随分重たいけど、何だろう?
お金持ちだけに気前が良い人だな。
「わあ、ありがとうございます。
お爺さん。
中身は何だろう・・・?」
ワクワクしながら開けるボクへ向けて、お爺さんがとんでもないことを言ってきた。
「あ、ソレ今朝出し忘れたゴミ袋だった。
悪ぃ。」
一瞬で強烈な刺激臭が鼻孔を突き上げる。
「ウゲッホゲッホゲッホっ!!
臭いっ! 思いっきり吸い込んじゃったっ!!
ゲッヘゲッヘっ・・うへぇ・・・。」
無防備で生ゴミの詰まった袋なんて開けると、鼻にツンっと強烈な臭いがこびり付くよね。
ボクは涙目になりながら激しく咳込んでんしまった。
「いやー悪かったな。
ちょうど玄関に置いといたもんで、間違えたわ。
ハッハッハッ」
黒く焼けた肌に真っ白な歯を見せて笑う姿は爽やかでカッコイイお爺さんだけど、一瞬だけグーで殴っても良いかなと思いかけたけど、側で見張ってる怖い二人も居るし止めた。
「ソレも出掛けるついでに出して貰えば良いでしょ?」
「ああ、そうだな。
流石婆さん頭が冴えとるなぁ。」
「頭は帽子を乗せる台ではないさね。
爺さんや。」
その後、改めて餞別に『桃印キビ団子詰め合わせセット』の入ったリュックと、途中で捨てて来いとゴミ袋を渡されて、ボクの鬼ヶ島を目指す旅は始まった。
前途多難だなぁ・・・。
めでたし、めでたし。
やっと出発です。
遅筆? 自覚もあります・・・(;´・ω・)
『妹がヤンデレ過ぎて怖い件について』
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