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『荒唐無稽版 桃太郎』  作者: 所天駄
22/27

鬼が島前到着!


タクシー内には、助手席にキジ、後部座席に僕とサオリさん。

トランクルームに駄犬シロ。


運転手は勿論、タクさんだ。


流れるように、スムーズに車を操り、一時間ほどで目的地へ到着してしまった。


「ヘイお待ちっ! 『鬼ヶ島』前でさぁっ!

お代は7,980円でさぁっ!」


ニコニコしながらタクさんが、キジへ手を伸ばす。


「仕方が無い、ココは貸しってことで。」


釣りは要らぬと万札を一枚手渡すと、僕たちは黒塗りのタクシーから降りた。


「わぁ~なんか・・・・ 思ってたのと違う気が・・・・。」


『鬼ヶ島』と聞いたから、ものっすごく怖そうな厳つい島かと想像して来てみたら、なんか普通?


山や岩の形も、尖っていないし、全体的に丸っこい。

看板も出てはいるけど『ようこそ! 鬼ヶ島へ!』なんて、どこの村興し?

って感じのほのぼのしたイラストとか書かれてるし・・・・。


「フッフッフッフフー。

どうやら、ここは知将であるWA・TA・SHI!

の出番のようだなっ!」


あ。

トランクルームで熟睡してたお陰で、なんか無駄にヤル気とか体力回復してしまって、満ちてる感を前面に押し出して来た駄犬が吠えてる。


「ここは表の顔さ。

鬼どもは卑怯なのさ。

人間相手に、如何にもって感じを出していると、誰も近づかないから、表の顔では、すっごく優しそうにして見せるのさ。」


サオリさんが横からスット出て来て言ってしまう。

その後ろで涙目になって、固まる駄犬。


「そうだな。

ここの裏側にある、海からしか出入りできない場所に、本当の顔があるのさ。」


ガーンっと頭を殴られたようなショック顔で、更にワナワナ震える駄犬。


「ワ・・ワタシのセリフを・・・・・(涙

き・・・・貴重な出番を・・・・・」


そ-ゆー出番。

要らないから。


「海かぁ・・・・ クルーザー借りてくれば良かったなぁ・・・・」

「あるヨ。」

「え!?」


キジが無駄に恰好付けて、カードキーを見せびらかす。


まさか、この人クルーザー持ってるのか!?

ヤダ、イケメンっ!


なんで、そう都合よく!?


「ココのハーバーは、昔よく遊んでいたものさ。

近頃は、すっかり鬼どもの棲み処になっちまったみたいだけど、俺たちの遊び場だったのさ。」


ちょっと遠い眼をしながら、感慨深げに語るキジ。


うん。


どっから見ても、茶髪ホストにしか見えない。


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