表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『荒唐無稽版 桃太郎』  作者: 所天駄
13/27

桃太郎の初恋 ~『猿』が鬼と戦う動機 ~


「それで、サオリさんはどうしてあんな所で、世紀末覇者のような真似をしていたんですか?」


「そうさね・・・。」


サオリさんが、どこか遠くを見つめる視線を空へ向けると、ポツリポツリと事情を語ってくれた。


サオリさんの説明によると、周辺崩壊集落に見えた人気の無い廃屋ばかりが並ぶこの辺一帯は、元は豊かな土地で、人も沢山住んでいたこと。


ところが、数年前から『鬼ヶ島の鬼たち』がこの辺りまで時々やって来ては、悪さをする影響で、人が住まなくなってしまったこと。


そんな廃墟でも、人間の領域であることを主張したくて、世紀末風コスプレでパトロールをしていたこと。

※何故世紀末風コスなの?

 それは、鬼が怖いから。威嚇の意味も込めてたらしい。



そんな感じで、実はアノ恐ろし気なモヒ頭集団『通称:泣く子も黙る渦潮雷団』も、すっごく心の優しい(?)良い人たちの集まりらしい。マジかよ。


「鬼どもめぇ・・・ こんなところまで来て悪さを・・・ 許せん。」


駄犬がメガネクイっをしながら、俯き加減に言った言葉は、ボクも同じ思いだ。


「鬼どもは、人が住めなくなる程の悪逆非道の限りを尽くしたのですか・・・?」


ボクは、どんな蛮行が行われたのか、情報集めの意味でも聞いてみた。


「ああ。酷いもんさ。」


サオリさんは、悲しそうな顔をして、フゥっと溜息を吐くと


「ここら一帯は、かつては温泉街だったのさ。

アタイはそんな由緒ある温泉宿の女将の娘として生まれたんだ。

小さなころから、この辺はアタイの庭みたいなモンだったのさ。

それを・・・・」


昔を思い出したのか、サオリさんの澄んだ左の瞳から、一筋の涙がスゥーっと零れ堕ちた。


「サオリさん・・・・。」


ボクは思わず、彼女の両手を無意識に掴んでしまった。


「わっ。ゴメンなさいっ!!

サオリさんが泣くことが許せなくって、つい・・・。」


慌ててパッと掴んだ手を放してしまった。


「構わないさ。

アタイが女々しいとこ見せちまったのが悪いのさ。」


と、サオリさんはバツが悪そうに気にするなと言ってくれた。


「それより、鬼どもには取り立てなきゃなんねー借りがタンマリとあるんだっ!!

絶対に一匹たりとも許しゃしないよっ!!」


そうか、老舗旅館で暴れられた借りを『鬼退治』という正義の鉄槌を下すことで返すのだな。


なんて逞しくって、素晴らしい魅力的な女性なのだろう。

ボクは生まれて初めて心から女性に魅かれた。


クリスマス?

ナニソレ美味しいの?


ココではそんな俗世間の風習なぞ知らんっ!!


ということで


(*´Д`)o。゜+メリークリスマス+゜。o(´Д`*)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ