お爺さんとお婆さんの愛の物語
『荒唐無稽版 桃太郎』
昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが詰んでいました。
「爺さんや・・・飯ぃ・・・飯はまだかいのぉう?」
「婆ぁっ! 今喰ったばかりだろうがっ!
んとにもう!
しゃーねーなぁー アルツハイマー始まっちまったかぁ?」
「アタシゃマダ、マダボケちゃいないよ!!
ちょっとしたオフザケってやつさね。フン。」
「ケっ美魔女めぇ!!」
「そーゆーアンタだって、マダマダ全然イケる口だろ?」
爺さん御年80歳。
肉体年齢は40代でも通用すると町医者から太鼓判を押されている。
婆さん御年7〇(ピー)歳。
爺さんとは幼馴染でそのまま結婚した仲だ。
見た目も肌も30代中ごろで通用すると言われている里でも噂の美魔女。
里で生まれ、里に暮らす二人は、そりゃーもー周囲が羨む程のリア充ぶりを発揮して、若い頃はブィブィ言わせてた時期 (ギャル&モテ男)もあったが、今ではすっかり大人しくなった。
ところが、そんな二人にも悩みがあった・・・。
「後継・・・ どうすっかなぁ・・・。」
「・・・ぅん。」
二人には子供が居なかった。
桃印のキビ団子製作工房を開いて以来、土産や贈答品にと販路を拡げ、今や従業員数千人を超す巨大茶屋チェーン店を展開する、この地方一の長者と呼ばれるほどの財産を築いてた。
が、後継ぎが居なければ、いずれ二人の苦労の結晶も赤の他人の手に渡ってしまうのだ。
「若い頃にもーちっと、アッチも考えとけばなぁ・・・。」
「なんなら今からでも作るかい?」
お婆さんが艶然と微笑んで見せるが、当然今更子供が宿せる訳も無く、ただ寝床へ共に向かうだけとなるが、それでも日課は欠かせない二人だった。
細く、短く続けられればと思います。
20時に次話投稿予定です!
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