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第2話です。
ここで一応登場人物の見た目を書いておこうと思います(本文中に描写するタイミングをうしなったので)。
大場 碧斗
身長176cm 体重65kg 黒髪短髪
長友 隆一
身長178cm 体重68kg 茶髪短髪
赤坂 莉緒
身長160cm 体重??kg 茶髪ポニーテイル(肩甲骨くらいまでの長さ)
こういう見た目でいこうと思います。
野球部としては体重が軽すぎる気もしますが、そこは気にしないでいいですよ。
アルミラージが隆一に懐いてから約1時間ほど経った。
意外と人間に馴れていたアルミラージは碧斗達にも攻撃することも無く、結構懐いていた。
「それで、これからどうする?」
今おかれている状況をだいぶ理解してきた碧斗が、今後の行動について隆一と莉緒に問う。
「異世界召喚モノは、召喚者が近くにいるっていうのが鉄板なんだけど…」
そう言って周りを見渡すが、ここにいる3人とアルミラージ以外に人影は見当たらない。
「人どころか、このアルミラージ以外に動物すらいないな」
見渡す限りの大草原が広がっているにも関わらず、草食動物の1匹も見当たらない。
「とりあえず、どこか人の居るところを探そうよ。このまま日が暮れちゃったら危ないし」
莉緒の提案に碧斗と隆一が頷く。
「そうだな。 盗賊や夜行性の危険なモンスターでも出てきたら、丸腰の俺達じゃ対処しきれそうにないし、町を探すか」
そう言って碧斗が立ち上がる。
それに続いて隆一と莉緒も立ち上がる。
「このアルミラージも連れて行きたいんだけど、いいよな?」
隆一がアルミラージを抱きかかえて、同行させる許可を求める。
「ああ、俺はいいぜ。 置いてくのは可哀想だしな。 莉緒は?」
「私もいいよ。 というか、置いていくって選択肢はないわよ。 こんなに可愛くて、しかも懐いているのに」
アルミラージの頭を撫でながら、莉緒が言う。だいぶ気に入っているようだ。
アルミラージは目を細め、気持ち良さげにしている。
「よし! じゃあ方針も決まったことだし、早速町探しを始めますか!」
碧斗が明るく言い、隆一と莉緒も、おー! と続く。
「問題はどの方向に進むかだけど… どうする?」
「うーん… これで変な方向に進んで迷子になるのは一番避けたいし…」
碧斗と莉緒が話し合う中、隆一がある方向を指さした。
「なんとなくだけど、あっちに進めってこのアルミラージが言ってる気がする」
それはアルミラージが疾走してきた方向だった。
隆一は、なんとなく、と言っていたが確信を持っているように見える。
「……マジ?」
碧斗は、心底疑ってますと言わんばかりに隆一を見る。
「マジ」
隆一は真顔で返す。
「私は隆一の言うこと信じるよ。 あっちの方向に進んでみようよ、碧斗」
そう言い、莉緒は碧斗に同意を求める。
2人にそう言われると、1人だけ反対することも無いかと碧斗は思い、アルミラージが走って来た方向に進むことが決定した。
「ねぇ、そろそろこの子の名前決めない? アルミラージっていうの長いしさ」
30分ほど歩いた頃、莉緒がそう提案した。
「それもそうだな。 折角だし、何か良い名前がいいなぁ」
碧斗は莉緒の提案に賛成し、早速考え始める。
それに続き、隆一も考え始めた。 そして何かを思いついたらしく、ボソッと声を漏らした。
「…ブルータス」
「何なの? お前こいつに裏切られたいの? そういう願望をお持ちなんですか?」
裏切り者の代名詞と言っても過言ではない様な名前をつけようとする隆一に、間髪入れず碧斗が突っ込む。
「良いと思ったんだけど…」
隆一は不服そうにしていたが、食い下がろうとはせず、大人しく引き下がった。
すると次は莉緒が思いついたようだ。
「ブランとか、どうかな? この子全体的に白いから」
フランス語で白って意味なんだよ、と付け加える。
「ああ、良いんじゃないか? カッコいいし、ブルータスより断然いいしな」
碧斗は莉緒の意見に賛成する。
「俺もそれで異論はないな。 碧斗の言葉には若干引っかかるが」
碧斗を少し睨みながら、隆一も賛成する。
「というわけで、アナタの名前はブランね。 改めて、これからよろしくね」
莉緒はアルミラージ改め、ブランを抱きかかえ、撫でる。
すると、気持ちいいのだろうか、ブランは、ぷー、と高い声で鳴いた。
「へぇ、アルミラージってウサギに似た鳴き声なんだな」
碧斗は興味深げにブランを見る。
知らない人も多いが、ウサギは機嫌が良い時は「ぷーぷー」と、機嫌が悪い時は「ぶーぶー」と鳴く。
そんなこんなでブランの名前も決まった時、碧斗は遠方に馬車らしきものが止まっているのを見つけた。
「おい、あれって馬車じゃないか?」
碧斗は前を指さして2人に声をかける。
隆一と莉緒はそちらへと目を凝らす。
「確かに何かあるけど、俺じゃ何なのかまでは見えないな」
「私も~。 碧斗、人が居るか見える?」
「えっと… 2人は居るな」
碧斗は目を細め、懸命に馬車の様な物のある方を見る。
「身なりからしても盗賊の類には見えないけど、万が一のことを考えて慎重に近付こう」
碧斗はそう言って、2人に先行して進んで行った。 隆一と莉緒は唯一相手が見えている碧斗に従い、ついていく。
草原とは言っても身の隠せる場所は多少なりともある。例えば大きめの岩陰であったり、背の高い植物の間であったりだ。
そのような障害物を上手く使い、碧斗達は相手に気付かれることなくすぐ側まで接近することが出来た。
近付いてその馬車の様な物と休憩をしているらしい2人を見ると、新たな事が2つ分かった。
まず1つ目は、その2人組は男女であり、見た感じ親子であるらしいこと。
そして2つ目は、その2人組は武器を持っておらず、話の内容は聞き取れないが、危険な雰囲気は感じられないこと。
この2つの事を確認し、碧斗達は意を決してその2人組に話しかけることにした。
「あのう、すいません」
一応、完全に危険が無いとは言い切れないので、碧斗と隆一が前に出て、莉緒とブランを後ろにやる。
碧斗は恐る恐る2人組に声をかけた。
声をかけられた2人は、一瞬驚いて身構えたが、碧斗達が武装していないことに気付き、一応は話を聞く態勢に入った。
「何でしょうか?」
男の方が碧斗達に返事を返した。
それを聞き、隆一が碧斗に代わり、男と話し始めた。
「実は、少し事情があって3人ともこの草原で迷子になってしまったのですが、よろしければ近くの町か村まで案内してくださらないでしょうか」
異世界から来たなどとは言えないので、細部をぼかしつつ、今碧斗達がおかれている状況を説明した。
「それはそれは、大変でしたな。 幸い、私達も近くの町まで行く予定ですので、ご一緒なさいますか?」
男は最後まで話を聞くと、最初とは打って変わり、碧斗達に非常に親切に接してくれた。
「是非、お願いします!」
莉緒も顔を明るくして、男に礼を言う。
そんな中碧斗だけが困惑した表情をしていることに、隆一が気付いた。
「何浮かない顔してるんだ? 折角この人達が送ってくれるって言ってくれてるのに」
隆一が碧斗に話しかける。 しかし、碧斗は隆一の質問には答えず、代わりにこんなことを言ってきた。
「……この男の人が話してる言葉って、何語? 何1つ理解出来ないんだけど…?」
「「…は?」」
碧斗の言葉を聞いた隆一と莉緒は、ほぼ同時に素っ頓狂な声を出した。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
なんだかもう文が滅茶苦茶になってる気がしますが、頑張って分かりやすく書けるようになりますので、温かい目でお見守りください。