直毛な私
のどかな天気、窓の外を見れば知らない家の知らない猫が気持ち良さそうに屋根の上で日向ぼっこ。なんて普通で退屈な日常だろう。
毛先をくるくる巻いてみる。離せば戻る、私の髪の毛。私の髪はびっくりするほど直毛だ。癖が無くって羨ましいなんて良く言われるけど、私はそんな好きじゃない。
イメチェンは髪を結ぶか長さを変えるか。こんなことしても、結局真っ直ぐには変わらない。なんか、ボリュームがないというか無難と言うか… とにかくあんまり好きじゃないんだ。
他の子みたいに髪の毛で遊んでみたりしたいけど、友達に言ってみればもったいないとか、嫌味か、とか言われる始末。私だって高校生、色んなことがしてみたいのに…
私の三つ前の席。他の男の子よりも少し座高が高い、というか背が高い子。同じクラスの町田くん。別に勝負することでもないけど、私の方が直毛だ。でも、私に似てなかなかまっすぐな髪の毛だ。
町田くんも、色々髪の毛で苦労してんのかなぁ?ワックスとか使ってなさそうだし、いっつも髪はおろしてるしな。町田くんも、色々髪の毛で遊びたいと思ってるのかな。
ふと聞こえた、雨粒の音。見れば空には黒い雲。少しだが、雨も降ってきた。
うわぁ、私今日カサ持ってきてないんだけど…帰るまでにはやんでほしいな。 ちょっと憂鬱になりながら、前を向き直す。町田くんも外を見てた。
…この世の終わりみたいな顔してた。とにかく絶望感がすごい伝わってきた。 雨、嫌いなのかな?
私はそれぐらいの気持ちで、少し見えたまっすぐな町田くんの前髪を見つめてた。




