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「は?もったいねー!」
大学1年の夏休み。久しぶりに地元に戻って、久しぶりに会った高校のとき同じクラスだった雄輔のセリフにあたしは苛立った。
"彼"と別れることが勿体ないなんて、わかりすぎるほどわかってる。でも、恋愛って"勿体ない"って感情でするわけじゃないでしょ?
「だいたい雄輔は、相手が自分のこと好きでも何でもないのに付き合ってもらって嬉しいの?」
「やだ」
「ほらね。だったら別れた方が良かったでしょ?」
「それもやだ」
「……」
まぁ彼女と別れたばっかの雄輔に、こんな話すんのも酷だとは思うけど……。
「あたしだって、もう自分自身の感情が信じられないんだよ」
「あんなに好きだったのにな」
「なんでだろーね」
あたしが自身の"恋愛"が信用出来なくなった理由は、主に"彼"との話にあった。