現代版 桃太郎
暇だったので適当に書きました。
現代に桃太郎が来たらどうなるかな~と。。。
ある国のあるところに、後期高齢者になろうとしているおじいさんとおばあさんの核家族が住んでいました。
おじいさんはリビングにネットサーフィンに、おばあさんは近所のスーパーに自転車で出かけました。
おばあさんはスーパーで賞味期限が近くなり50円引きで売っていたモモを買いました。
その他肉や牛乳や野菜やらも一緒に買ってスーパーを出ました。
昼ご飯を食べ終え、賞味期限が近くなったモモを食べようとおばあさんが切ったところ…。
「全く!何で誰も買ってくれないんだ!危なく賞味期限切れで買われることなく一生を終える所だったじゃないか!1000年前にじいちゃんが来たときは川で流れててもすぐに拾ってもらえたらしいのに…」
などと文句を言っている普通の桃サイズの少年が出てきました。
それを見て、おじいさんは自分の末期を悟り、おばあさんはスーパーに苦情を言いに行って代金を返してもらおうと思いました。
「僕は桃から生まれた桃太郎と言います。あ!何ですかその目は!おじいさん!あなたは健全ですよ!おばあさん!スーパーに言いに行ったらあなたを退治しますよ!?」
「え?わし…健全?あ~…なら良かった。一瞬幻覚が見えてしまって本当に人生の最後かと思ってしまった…」
おじいさんがそう言った。
「おじいさん!全然よく無いですよ…。全く。最近のスーパーは!安いと思ったら変な虫が入ってるじゃありませんか。苦情の電話を入れることがこれからのスーパーのためになるんですよ。さっそく電話して…」
おばあさんが受話器に手をかけると桃太郎は…
「おいこら!苦情入れるなって言ってるんだよ!いいですか?僕は今日からここに住みます。いいですね?世話してくださいね」
「ええ~…。住むんだって…ずうずうしい…」
と、おばあさん。
「え?1000年前にじいちゃんが来たときは孫ができたみたいだとか言って喜ばれたらしいのに…」
「孫?もう3人いるのにねぇ…。市役所に届けるのが面倒だし…。どうしていいか…」
「もう!そう言うのはいいですよ!お礼に鬼退治しに行きますから!」
「鬼退治?鬼ってなんだろうねぇ?おじいさん分かりますか?」
「鬼…?あぁ…。豆撒きの時に来るやつじゃよ」
「いや、それは豆撒いて退治して下さいよ。しかも豆撒きの時に来るって…。あれは常にいる鬼を追い出すってイメージであって鬼が来るわけでは…。退治されに来る鬼ってなんですか?ドMの鬼なんですか?」
「ああ、そんなんかい?そうじゃのぅ…。じゃあ、財務省かねぇ?鬼のように税金捕ってくやつらじゃよ」
「分かりました。その財務省を退治すればいいんですね。どこにあるんですか?」
「東京じゃよ。遠いのう…」
「どうやって行くんですか?」
「飛行機でじゃ…。高いところ、怖いのう…」
「いや、おじいさんは来なくていいですよ。僕が行きますので。それが仕事でわざわざ来たんですから!なので、僕が一人前の大きさに成長するまで一緒に生活させて下さい」
「まぁ、ええかのう。な?ばあさん」
「私は良いですよ…。おじいさんがそう言うのであれば…。気は乗りませんけど」
「それってよくないってことなんじゃ…」
こうして、桃太郎は数ヶ月間おじいさんとおばあさんに育てられ、ネットの使い方や買い物の仕方など様々なことを学びながら一人前の大きさへと成長しました。
一方、おじいさんやおばあさんが桃太郎から学ぶことは一つもありませんでした。
「おじいさん、おばあさん。僕はそろそろ鬼退治へと向かいます。育ててくれたお礼です。今までありがとうございました」
「そうかい、それは良かった。気を付けてね、桃太郎」
「それで最後のお願いです。往復の電車賃と飛行機代と食糧を下さい」
「最後と言う割には往復代って…。帰って来る気まんまんじゃないの」
「そりゃそうですよ。帰ってきますよ」
「あ、でも今お金無いねぇ。明日なら銀行にお金下ろしにいけるんだけどねぇ」
「じゃあ明日にします。お願いしますよ」
「待て、ばあさん。詐欺かも知れんぞ!こんな小僧を信用してはならん!」
「おいこらじじい!人は信用するもんだろうが!一緒に生活してただろうが!」
「そうですね、おじいさん。やっぱ止めましょう」
「おいこらばばあ!貴様!裏切るのか!?」
「いいえ、桃太郎。もっと安い乗り物があるよ。深夜バスと言うものがあるんだよ」
「深夜バスですか。分かりました。それで行きます」
「まって、桃太郎。このフランスパンを持って行きなさい」
「フランスパンですか…」
こうして桃太郎は深夜バスで遥か東京まで来ました。
「うあ~…ケツ痛ぇ~。騙された~…」
桃太郎はぼやいた。
「さて、財務省財務省…ってあ!しまった!」
桃太郎は大事なことを思い出した。
「仲間がいない!確か・・・猿と犬と雉…」
桃太郎は憂鬱になった。
「こんな大都会に動物なんていんのかよ…」
桃太郎はふと顔を上げた。
そこに見つけたものは…。
「!動物園!?」
桃太郎に期待が芽生えた。
「え~入園料取るの!?え~…」
桃太郎はまたも騙された気がした。
しかし、動物園に入らないことには仕方ない。
「猿!雉!犬!出てこい!」
桃太郎は動物園から猿と雉を盗み出すことに成功した。
「仲間を獲得するのは大変だな。おかげで変な人に追われてしまった…。なんだよ、飼育員って…」
桃太郎ご立腹。
「最後は犬…。お!いた!銅像になってるとは…!さすが我が味方!おいお前!犬はなせよ!何ではなさないんだよ!」
桃太郎は腹が立った。
しかし、何とか犬を手に入れることに成功した。
「猿!雉!上野の山の銅像犬!今日は西郷とかいう人じゃなくてこの桃太郎に従え!今から財務省に鬼を退治しに行く!ついてこい!フランスパンあげるから!」
こうして桃太郎は犬(銅像)・雉・猿を従えて財務省に入った。
「鬼!どこだ!鬼!おい!出てきやがれ!退治する!」
桃太郎が叫ぶと…
「何だ貴様は!ちょっとこっちへ来い!」
警備員が来た。
「何だ!?お前が鬼の所まで案内してくれるのか?」
そして…。
「不法侵入の罪で逮捕する!窃盗・器物破損についても話を聞かせてもらおうか」
桃太郎は逮捕されてしまった。
「待て!僕は鬼を退治しに来た桃太郎だ!」
「鬼とは?何だ?」
警察が聞いた。
「財務省のトップだ!」
「よし。逮捕」
後日これがニュースになりおじいさんやおばあさんも知った。
「あら、桃太郎捕まっちゃったんだねぇ」
「まぁ、あんなことをすれば仕方がないと思うじょ」
「そうですよねぇ。じょって何ですか?」
こうしておじいさんとおばあさんは幸せに暮らしました。
なお、桃太郎は税金の使い道を警察の人から教えてもらったが信じなかったそうな。
どうでしたでしょう?
結構適当に書いたんですけどね…。
次は戦国時代を舞台に書いてみたいと思います。