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 俺と……

 執事さん……


 ふたり


 俺と〜?

 執事さん〜?



 ふ・た・り



「エェェエエエーッ!!」



 ちょ、ちょちょー!!


 待ってくれ。


「秘技・国語辞典」

 勇者装備には国語辞典が付いている。


 えっと、たちつてと……


(あった)

 トキメキ……


「トキメキとは、胸がドキドキする事である」


 胸がドキドキ。

 俺も胸がドキドキするけれど。

(このドキドキはトキメキではない。断じて絶対)


「ヒイロ様」

「ひゃい!」


 このドキドキは紛れもない!生命の危機だ。


「ヒイロ様は、私めを好きだと言って下さいました」

「ちょっと待って。俺が言ったのは……」


 顔がきれい→顔だけが好きじゃない→(中略)→ひっくるめて……




 好き。




(言っているー!)

 好きって言っちゃているー!


 いやいやいやいや!


 好きは好きでも、


「LOVEじゃない!」

「らぶ?……らぶとは何でしょうか?」

 そうだ、ここは異世界。異世界ゆえに、時々元いた世界の言葉が通じない。

「美味しいのでしょうか?」

「……美味しくはないです」

「では?」

「えっと。う〜」

 どう説明すれば……

「それでは、ヒイロ様がお考えをまとめていらっしゃる間に、私から少しよろしいでしょうか」

「どうぞ」

「初めてなのです」


 闇の中、柔らかな光が帯びた。


「初めて好きだと言われました。私を好きだと仰って下さったのは、ヒイロ様、貴方様だけでございます」

「その好きなんですが」


 細めた黒曜の玲瓏の優しさに、俺は言葉を止めてしまった。



「私はずっと孤独でしたので、ヒイロ様の想いに救われました」



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