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「勇者様!今はどうか謁見に集中して下さい!」

「けれど……」


 ゴゴゴゴゴゴオオー


「勇者様のお役目は謁見です!謁見が第一優先です」


 兵士さん、どうしてそんなに涙目で俺に訴えかけるんだろう?

 言っている事は間違いではないのだが……


「そこまで仰るのなら。でも何かあったらすぐ言って下さいね」

「ありがとうございます!勇者様!この御恩は一生忘れません!」


 ……俺、何にもしてないんだけど。

 どうして、そんなに感謝されるんだろう?

 兵士さん、半泣きだ。


 ゴ


 ん?

 ところで、さっきから後ろの方で聞こえていた謎の轟音が止まったぞ。

(なんだったんだ?)

 局地的集中豪雨でもあったのだろうか。


「王様、お時間取らせて申し訳ございませんでした」

「気にしなくていいよ」

 クルリと振り返ると、王様が穏やかに頷いた。

「えっと、それで〜」

 何の話してたんだっけ?

「君と私の旅の事だが」

「そうでした」

「新婚旅行という名目なら問題ない」

「アハハ」

 王様ったら周りを和ませる冗談が上手いな。

「誰にも邪魔させないよ」

 仮面の下、すぅ……っと目を細めた。


「私は約束を守るからね」



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