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(侍従さん?)


 えっと、名前。

 また聞き忘れた☆


 って、今はそうじゃない。


「書類、取り返さないと」

「ヒイロ様、どちらへ?」

 背後の声に駆け出した足を止めた。

「侍従さんを追うんですよ」

「行く宛てはあるんですか」

「それは……」

 どこへ行ったのか皆目見当がつかない。

「だけど、このままだと俺は結婚するか死刑です」

 命の危機なのだ。

「しかし、ここは王宮です。よく考えて下さい。この広大な敷地では、追いかけっこもかくれんぼも圧倒的に勇者様が不利です。それに例え見つけたとしても、また見失って振り出しに戻るのが関の山です」

 ゼフィルさんの言いたい事は道理だ。

「でも、どうしろと?」


 このままじゃ俺には結婚か、死刑かの不条理な二択しかない。


「ですので、よく考えて下さいと申しております。ヒイロ様。あなたがこれからお会いになる御方は誰ですか?」


「アァー!」



 そうだ。

 その手があった。



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