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そうだ、王様との謁見が控えてたんだ。
「それでは勇者様。謁見が終わりましたら、こちらのお部屋へお戻り下さい。準備は万全です」
「……え?」
どういうこと?
お見合い写真が整然と並ぶテーブルにボックスティッシュが、
タン
タン
タン
3箱
「?」
疑問符が飛んでいる俺の隣で、ヒイロ様とゼフィルさんが声をかけてきた。
「あ、これ。『お鼻にやさしい♪やはらかシルキーティッシュ』じゃないですか!」
「えっと、俺……花粉症じゃないですよ」
肌心地の良い高級ティッシュは嬉しいが、普通のティッシュで大丈夫だし、3箱もいらない。
「いえいえ、これ。鼻だけでなく、亀頭にも優しいんですよ」
「………………へ?」
(なんつった?)
「吸収力バツグン、口コミナンバー1です。巷で評判なんですが、人気が出すぎて、なかなか手に入らなくて。これが3箱も!」
「あの〜」
嫌な予感しかしない。
「なにを吸収するんでしょうか〜?」
にっこり。
ゼフィルさんの笑顔が怖い。
「ザーメンです」
「キャアアアアー!!」
聞くんじゃなかった、俺♠
「うずくムスコと右手がスキンシップ始めても安心。亀頭に優しい♪ふきふきシコティッシュがあれば、謁見が終わったら思う存分、お自慰できますね!♥」
「〜〜♠」
「という事で。ちゃっちゃと謁見済ませて、結婚相手を決めちゃって下さい」
「しません!」
するのはお見合いであって、結婚じゃない。
「伯爵、子爵、辺境伯。よりどりみどりの巨根を勿体ない」
チソコいらない……
大きくてもいらない……