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(思考を読まれた)

 読心の魔法

(いつの間に。発動条件は?)


「そうではございません」

 闇色の宝玉が小さく笑った。

「私はエーデルフリューゲル以外の魔法を発動しておりません」


(また読まれた!)


「思考をッ」

「お顔に出ていらっしゃいますよ」


 ………………え。


「ヒイロ様は素直でお可愛らしいので、全部お顔に出ておいでです」

「……そうなの?」

「はい♪」


 にっこり


「後は、そうですね」


 むぎゅう〜


「キィヤァー」

「心拍数でしょうか」


 ぎゅう〜


「また心拍数が上がりましたね。ヒイロ様の心臓も、とても素直でございます。私に触れられているだけでお可愛らしい。こんなにドキドキと早鐘を打って、一生懸命に拍動していらっしゃるのが伝わって参ります」


 フフっと笑った吐息が額を撫でた。


「そそ、そんなのーッ」


 仕方ないだろ。

 こんな美形の顔が間近にあったら、心臓がもたない。

 気絶しそう。


「おや、グッタリなさいましたね。暴れられるよりは良いのですが、もう少し私をぎゅっと、抱きしめてほしいところでございます。できますか?勇者様」


 ブンブンブン!


 首を振って大否定。

(心臓爆発するから!)


「残念です」


 なんで?


 伏せた隻眼。

 どうして、しょんぼりするんだ?執事さん?


「貴方様の信頼を得られない私は未熟者。勇者様のお側にはべるなどおこがましい」

「そういうつもりじゃ」

「では私を信頼して下さるのですか」

「それは……」


 まだ疑いが晴れたわけじゃ……


 彼はまだ何も説明していない。

 彼がなぜ、宮廷魔導師さえ使えぬ高位魔法を自由自在に操れるのか。

 彼が何者なのか。

 そもそも、本当に彼はアルファングの使者なのか。



「ヒイロ様」



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