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「国語辞典オープン!メス堕ちとは『性行為において、受けが攻め巨根の餌食とな……』」

「ギィヤアァァーッ!国語辞典クローズ!」

「ちょっ、なに勝手に。国語辞典オープン!」

「国語辞典クローズ!それはこっちの台詞です」

 フンヌっ

「勝手に勇者装備の国語辞典を使わないで下さい!」

 いつの間にか、ちゃっかりゼフィルさんの手中に収められた国語辞典を取り返した。


 メス堕ち……


 そんな言葉を調べられた日には、俺の魂が昇天してしまう。


「いいじゃないですか、ちょっとくらい」

「だめです!」

 今度は厳重にしまっておこう。


 ……て。

(あれ?)

 国語辞典どこ行った?


「ふむふむ。さすがは勇者装備の国語辞典。メス堕ちの解説も完璧です」

 一体、いつの間に?

 気配すら感じなかった。

 この人、ほんとうに侍従長か?

「だから勝手に読まな……あれ?」


 目の前にある筈の国語辞典が忽然と消えた。まるで手品か何かを見ているように。

 取り返そうとした手がすり抜ける。

 ひらり、と。

 ものの見事に空を切る。


 行き場を失った手は……


 バサバサバサッ


 バランスを失って体ごと。


「ヒイロ様っ」


 山積みのお見合い写真の中に突っ込んだ。


「お怪我は?」

「大丈夫」

 あぁ、もうっ。勇者たる俺は、いつからこんなドジっ子になってしまったんだ。

 ただでさえ乱雑に積まれていたお見合い写真が全部、床にぶち巻かれてしまった。

「片付けるの大変だ」

「元はと言えば私の悪ふざけが原因です。二人で協力すれば、早く片付きますよ」

「うん、ありがとう」


 謁見まで時間がない。

 それまでにお見合い写真のファイルを整理しよう。


 早速、手元に落ちていたお見合い写真を手に取った。


(まずは、これか……ら?)


「ビギャアァァアーッ!」

「ヒイロ様ッ、如何されましたか?やはり、どこかお体を痛めたのですか?」

「ちがっ、それっ」


 手にしたお見合い写真を一瞬で放り投げて指差した。


「それー!」

「……あぁ、これは」



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