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 すーはー

 すーはー


 こういう時こそ、深呼吸だ。

 落ち着け、俺。


 すーはー

 すーはー


「はい。すーはー」

「すーはー」

 背中をとんとんされて、執事さんになだめられた。動揺しているのが完全にバレてしまってる。

「はい。すっすっはー」

「すっすっはー」

「ひっひっふー」

「ひっひっふー」

 ……ん?これ、深呼吸?

「それでは落ち着いたところで、本題ですが」

「はい」

「主様がちゃんと生きているかどうかを、簡単に確かめる方法がございます」

「というと?」

「アンデットにできない事を行えばよいのです」

「うーん」

 何だろう?

「ご飯食べるとか?」

「フフ、そうですね。確かにアンデットは食事をしません。しかし食物の摂取をせずとも生きられる魔物の種族は、ほかにもたくさんいるのですよ」

 そうなのか。すると益々分からなくなってくる。

「ではヒントです。アンデットとは既に死したる者が蘇生した種族です。一度死すと、失われるものがあります」

「死ぬ……生命が失われる。血がなくなるのかな?」

「残念ながら。吸血鬼はアンデットの体系に入りますが、血液を摂取する事で体内に血を巡らしております」

「あ、そっか。外した」

「ですが、さすがは我が主様。いい線は行っておりました。死とは、生命活動が停止する事です。生命活動が停止すれば、そこで命は途絶え、次世代に命を紡ぐ事はできません」

 ゆえに……

「生殖機能が失われ、肉体が蘇っても死を経験したアンデットの生殖機能が復活する事はありません」

「へー」

 そうなんだ。……って、ちよっと待って。

 話が不穏な方向に流れてないか。

(確か、大きな声でのお伝えははばかられる……って)

 執事さん、言ってたのって。


「ですので、主様」

 フウっと耳の裏に吐息がかかった。

「お自慰をなさって下さい」


 じ、じぃー!!


「そう。お自慰でございます」

 熱い吐息が耳のひだを這う。

「肉体を持ち、血液を循環させるアンデットができるのは、お勃起までです。お金玉がぶら下がっておりましても、中に子種はありません。どんなに固く屈強に陰茎を反り返らせても、精液を吐き出す事はできないのですよ」


 おぼっ……

 おきん……

 いんけ……


 キャー!


「アンデットか否かの見分け方は、お射精でございます」


 キャーー!!


「しゃ、しゃ」

「射精」



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