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Reverse Kill
それを発した瞬間、鮮血が渦巻く。
触手の中を流れる血液が濁流になる。
破壊
「やめて!」
とっさに叫んでいた。
《Reverse Kill》の正体を直感する。
これは、禁忌の……
決して使ってはいけない《スキル》だ。
《Reverse Kill》は、すべての破壊。
シナプスを壊す。
触手はリッツと繋がっている。
動けない体で、どうしてリッツは動けたのか?
触手を神経と結合させたからだ。そうして、四肢を無理矢理動かした。
触手を壊せば……
そう。
リッツ自身をも壊す。
「ダメだァァアーッ!」
触手が崩壊する。
逝かないでくれ!
「リッツーー!!」
紅い結晶が空中に飛び散っていく。
傀儡が崩壊していく。
「シナプス結合……傀儡の神経と触手を繋いでいたか」
静かな吐息を相国が漏らした。
拳は心臓を狙ったのではなく、最初から。
「触手を傀儡の神経に潜り込ませるためか」
傀儡が塵になる。
「人形もこれでは使い物にならんな」
「リッツ!」
この線から出ちゃだめだなんて、関係ない。
崩れ落ちるリッツ。一刻も早く、一秒でも早く、駆け寄ろうと全力で走る。
走る筈だった……
ベタン
転んで床に這いつくばってしまう。
「……なんで?」
誰かが足、掴んでいる。
「なんで、お前なんだ?」
リッツ……
足を掴んでいるのは、血の色をした赤い触手。
「なんでだよォォー!」