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「羽虫が五月蝿いぞ」

 すがめた眼に紫苑の光が灯った。


 結界が変異する。

 防御の結界に、攻撃的な魔力が増幅する。


「退け!」

 俺よりも早く、お兄様が叫ぶ……が。

「贖え、羽虫共」

 結界から腕が伸びた。

 腕が騎士団を拘束する。


「グアァァーッ」

 骨が軋む。魔力付与の装甲ごと、


「結界の腕が」

 騎士団をねじ伏せる。鎧ごと腕の骨を砕く。

「退い……」


 退いて下さい。

 言いかけた言葉をグッと飲み込んだ。

 今、後ろに下がって逃げれば、結界の青い腕は、容赦なく騎士の腕を引きちぎる。

 結界の腕一本一本が、力ずくでもぎ取るだけの豪腕だ。


 ならば、どうやって?


(どうやったら、この窮地を乗り切れる?)


「グワァー」

「グオォー」


 剛健な騎士達が悲鳴を上げる。


 どうやったら?

 時間もない。しかし、この窮地を救う戦略すら何も……


「退くな!我が騎士達!」


 高らかに声が響いたのは、その時だった。


「お前達は、勇敢なるアルファング騎士団である。我が誇りだ」

(お兄様)

「騎士の誇りを踏みにじられたならば、取り返せ!」


 高らかに声を掲げるお兄様が檄を飛ばす。

(うぅん)

 違う。


「お前達を踏みにじるのは、我が面前を土足で汚したも同じだ。私に恥をかかせて、お前達は退くか?」


 お兄様は...…


「お前達の誇りを踏みにじった輩を前に、私は退かぬ!ならば、お前達の道は一つだろう」


 怒っている。


「踏みにじられた誇りは、自らの手で取り返せ!誇り高きアルファング騎士団よ、立ち上がれ!」



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