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「心拍数が上がりましたね。慣れぬ空の上です。やはり勇者様といえども、お怖いのでしょうか」
「え、あ、はい。いえ」
返事ができない。
まさか、あなたに抱きしめられているからドキドキしている……なんて言えない〜
「大丈夫ですよ、ほら」
ぎゅ〜
「私がこうして抱きしめております。主様をお離しする事はございません」
「ヒャアァー」
「あぁ、なんて甘美なお声。もっと抱きしめて差し上げましょう」
「ウヒョォォー」
「気高くお可愛らしく囀る私の小鳥。私は主様の虜にございます」
だめだ。
もう限界。
俺の心臓、超新星爆発する。
「下を見ると、空中である事を認識して恐怖に囚われてしまいます。私だけを見て下さい。下さえ見なければ、何も怖くありませんよ」
超絶美形の顔が、こんなに間近に!
(この唇が俺の額に触れて……)
キス!
超新星爆発の秒読みが開始されました。
カチカチカチカチ
3(スリー)
2(ツー)
1(ワン)
ちゅどーん!!
「ヒイロ様!?」