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「それとも」
フッと笑った。
「楽しんでいるのかな?私との戦争を」
「五月蝿い口だ」
「小賢しい戦略だと言っている。このような脆弱な氷で私を封じるなど」
「分かっている。貴様に棺など必要ない事は、最初からな!」
氷に帯びた魔力の波長が変化した。
「噛み砕け!第四形態!」
氷の格子が上に伸びた。同時に下に伸びる。
牙だ。
「それで?」
横一閃。
水平に振った鉄扇が牙を砕く。
「それでいい。貴様は檻の中だ」
四方に飛散した氷が空中で再び伸びる。
鋭利な枝となって。
「堕ちろ!第五形態!」
再び氷の棺を形成し、棺の中で上から、下から、さゆうから、棘が囚われた獲物目掛けて突き刺さる。
………………第二形態
「《罪》」