表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/186

136

「これは……」

「どうしましたか?」

 俺の後ろ。

 王剣を預かる兵士さんが、グッと眉間に皺を寄せた。

「陛下は試されておられます」


 相国の答えの後。

 長い沈黙が支配する。


 お兄様はまだ答えない。


「……試されているって?」

 極めて小さく、囁くような小声で兵士さんに問いかけた。

「公にはされていませんが、ガルディンの金は低く見積もっても、世界市場の六十パーセントを占めています。世界の流通量の半分以上がガルディン産の金です。市場の半分を優に占める金の価格が突如、下落すればどうなるか……」


 低く重い息を一つ、兵士さんは吐いた。


「世界恐慌が起こります」


「そんなっ!」

「落ち着いて下さい、勇者様。金の価格の下落は世界経済の大混乱を招きます。陛下は今、大きな岐路に立たされています」


 金の価格を吊り上げるも、下落させるも、相国の思い一つ。



(世界が人質に取られている)



「こんな方法って……」

「これが相国のやり方です」



 強欲のマモンズシャッテン……



 目的のためには手段を選ばない。


(せっかく平和になったのに)

 こんな方法っで人々の平和を脅かす。



「勇者様、これが政治なのです」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ