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 ぎゅんっと鼓動が跳ねた。


 青い空を背景に不意を突いて降ってきた艶やかな笑顔に、悔しいけど、見惚れてしまったのは事実で……


「それでは」

「え、わっ」


 ふわりと体が浮き上がった。

 元々浮いているのだけど、足が更に浮きいて、また少し遥か眼下の地面を離れた。


 軽く優しく体が折りたたまれて、気づけば脇の下、背中と膝下に腕がまわされている。

 執事さん、結構筋肉あるんだ。

(着痩せするタイプかな?)


 ……ん、んん?


 なんて、そんな悠長な感想を述べていていのか。


 ん〜!?

 この態勢って……


(ん!)


 キイヤァァァー☆!


「お姫様抱っこ!」

 運命の二人が結ばれる時に行うと云われている伝説の抱っこじゃないか。

「いえいえ、勇者様抱っこでございますよ」

「勇者だけど、この格好はお姫様」

「主様は『姫』と呼ばれるのがお好きなのですね。かしこまりました、姫」

「あわわわわ」


 勇者たる俺が姫になってしまった♠


「姫はだめ」

「おや、残念」


 どうして、がっかりするんだ?


「では改めて、我が主ヒイロ様」

「はい」

「フフ、お可愛らしいですね。良いお返事をして下さいまして感謝申し上げます。私の主様であると、ヒイロ様ご自身にお認め頂きました事、身に余る光栄でございます」

「しまった!」

 つられて、つい返事をしてしまった。

「我が手の中の小鳥。病める時も健やかなる時も、貴方様を愛し、敬い、慈しみ、この身が尽きるまで忠誠を捧げる事をお誓い申し上げます」


 陽光が映した黒曜の隻眼が揺れた。



 永遠の愛を……






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