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「ななっ、なんでもありませにゅっ」
ウゥ、舌噛んで変な時代劇語口調(?)になってしまったではないか。
まさか事後の想像をしてたなんて、口が裂けても言えない。
恥ずかしい……のもあるが〜
(言ったらお兄様、喜びそう)
知ったら、めちゃくちゃノリノリになりそうだ...…
断固阻止せねば!
ぎゅっと拳を握りしめた。
「?」
「あの、ええっと」
何を言えばいいんだ?この状況。
「俺、結婚しません」
………………
………………
………………
言っちゃった。
………………
………………
………………
まるで水を打ったような静けさだ。
静寂が白く見えるほど物音一つない。
異様な空気になってしまった。
(どうしよう)
何かフォローしないと。
フォローってあるのか。
「王さ……お兄様とは結婚とは違う形で良い関係を築けたら、と〜」
フォローになってる?
(なってない……よね)